韓国「40代独身女性の共同生活」に支持集まる理由 韓国の非婚化が問う「社会制度の家族問題」

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キム・ハナとファン・ソヌ
ソウルで2人暮らしをしているキム・ハナ(写真左)と、ファン・ソヌ(写真右)はポッドキャストでも人気だ(写真: Woohae Cho/The New York Times)

そのイベントはファン・ソヌとキム・ハナ(いずれも47歳)が韓国の独身女性としてともに過ごした生活を綴った著作を祝い、それについて議論するためのものだった。

ところが、聴衆としてその場にいた1人の男性から批判の声が上がった。その男性はファンとキムに向けて、すでに世界最低となっている韓国の出生率をさらに悪化させているのはあなたたちだ、あなたたちの本に背中を押されてほかの女性たちも非婚をまねするようになるだろう、と主張した。

「皮肉だったのは、私たちと同年代のその男性も未婚だったこと。結婚しない、あるいは子どもを持たない選択をする人が増えているが、責められるのはたいてい女性たちだ」とファンは言った。

結婚の減少で崩れる社会保障制度

韓国の社会は男性上位が根深く、伝統的な家族観を中心に成り立っている。税金、住宅、保険、その他の優遇措置など、韓国政府の援助や福祉の多くは、家族向けとなっている。その見返りとして、病気や高齢の親族の介護など、社会福祉の多くを家族が担うことが期待されているのだ。

しかし、何百万人という韓国人が結婚という制度を敬遠する中、家族を中心とした支援制度は急速に崩壊しつつある。韓国のサポートネットワークの質(「困ったときに頼れる人がいるかどうか」で評価される)は、先進国の中で最も低い。自殺率も、韓国は先進国の中で最も高い。

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