残りわずか「和製スマホメーカー」たちの生き様 レノボ傘下で再始動のFCNT、シャープの新たな一手は

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FCNTは8月に「arrows We2」と「arrows We2 Plus」の2機種を発売した。手頃な価格の入門機と、コストパフォーマンスに優れた中上位クラスの機種だ。FCNTは今回、約5年ぶりにSIMフリー市場への再参入を果たしている。キャリア向け端末と並行し、より幅広いユーザーの獲得を狙っている。らくらくフォンについても、8月に実際された発表会見の席で2024年度内に発売する方針を示した。

FCNTのプロダクトビジネス本部、外谷一磨氏によると、新モデルは40~50代をターゲットとしつつも、全年齢層に対応できる設計を心掛けたという。「arrows We2 Plus」は、以前からの強みである堅牢性や使いやすさを維持しつつ、自律神経測定機能など新たな技術も導入。従来支持の高い法人市場に適した機能も備えている。

arrows We2シリーズは泡ハンドソープで丸洗いできる(筆者撮影)

スマホの価格が全体的に高騰する傾向がある中、「arrows We2 Plus」は性能比でコストパフォーマンスを高めた点も特徴がある。価格は5万9950円(税込み、以下同)だが、楽天モバイルでは4万9900円で販売するなど、販路によってはより安価に購入できる場合もある。性能と価格に敏感な若年層を意識した商品企画を行っているという。

レノボとの連携は、グローバルな部材調達ネットワークを活用してコスト競争力を高めているうえで奏功した。技術面ではレノボグループのモトローラ・モビリティ本社の開発部隊と深く連携しており、カメラや音響技術の改善においてモトローラの知見を取り入れるなど製品改善につなげているという。

レノボからFCNTに派遣された桑山泰明副社長は、「FCNTの製品には説明しきれないほど多くの特徴がある」と話す。「レノボグループになった初日から、FCNTの製品のユニークさをレノボに認めてもらった」と桑山氏。この相互理解が、日本市場に特化した製品の開発と、グローバル企業の強みを活かすという2つの軸を両立させる基盤となっているようだ。

デザイン刷新で海外展開を進めるシャープ

シャープは日本発のスマートフォンブランド「AQUOS」の再始動を宣言し、グローバル市場を見据えた新しいデザインコンセプトを採用した。「AQUOS R9」と「AQUOS wish4」の両機種は、この新しいブランドイメージを体現する製品だ。

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