自民・武藤議員に直撃!「利己的発言の真意」 炎上ツイートは不用意だがリンチも問題だ

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ただ、一つ明らかなのは「利己的」という意味が、取り違えられている点だ。これは彼の不幸だ。橋下徹・大阪市長が「威勢の良いことを言うなら、お前がまず行け。国会議員を人身御供で前線に送り出すことを、本気で考える必要あり」とツイッターで噛みつかれていたが、空虚な言葉の応酬になっていると感じる。

武藤氏が使った「利己的」というのは、日本に合わない欧米の個人主義を利己的と表現している。利己的個人主義を生んだのは、戦後の教育であり、それに洗脳された若者の考えが「利己的だ」と言っている。

ところが、ネットでの反対意見では、そのように受け取られていない。「戦争に行きたくない」ことを利己的だと言った、と受け取られている。朝日新聞が「安保反対デモの学生は自分中心」と批判記事を書いた同じニュアンスである。文脈を読めば、戦争に行きたくないのは利己的であり無責任な考えだ、と読めるが、これは武藤氏の発言の不用意さによって起きているように思う。真意は別の所にある。

残念なのは武藤氏がツイッター投稿の140文字制限を理由にしている点だ。これは間違いだ。140字ならそれなりの表現の仕方での発言が求められる。政治家は「言葉」が左右する仕事だから、ツイート前に投稿を推敲し、真意が伝わるように配慮できたはずだ。

政治家とソーシャルネットワークの未来 

あきれるのは、マスコミの報道姿勢だ。「ツイッターの発言、撤回しないんですか?」と武藤議員を追いかけ回し、コメントを取ろうとする。コメントを取るのは仕事だからいいが、本当にピントがずれている。

なぜ撤回を迫るのか。「撤回します」「お詫びします」という答えが欲しいのだろうか。彼は「撤回しません」と言っていたが、この態度は政治家としては当然だ。

3年前初めてネット選挙が解禁になった、参議院選挙を覚えているだろうか。ソーシャルメディアを選挙運動のための拡声器代わりに使う政治家が、実に多かった。多くが街頭での演説の様子や演説場所の連絡で、リアルな選挙の延長戦でしか使われなかった。

選挙が終わった途端、ソーシャルメディアでの発信をやめた政治家がいかに多かったか。武藤議員は、ブログ、ツイッター、フェイスブックを通して、今も自分の考え方や政治信条、報告を行っている。炎上してアカウントを削除したり、不都合なコメントを表示しないよう操作する政治家がいる中で、「撤回しない」「削除しない」姿勢は、政治信条がどうであれ、ポリシーを貫いている。

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