自民・武藤議員に直撃!「利己的発言の真意」 炎上ツイートは不用意だがリンチも問題だ

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政策や人となりを知ることができる点が、ソーシャルメディアの利点である。ヤメロと言うことは、それを出来なくするということである。今回の不用意な発言から炎上したが、武藤議員の注目度は一気に高まった。彼の政治信条、政治家としての未来は、滋賀4区の有権者が、次の選挙で判断する。一部に「辞職しろ」という意見も出ているが、それを決めるのはあくまで有権者だ。

「炎上」のメカニズム

ソーシャルメディア上では、自分の立ち位置を考えずに、批判をされかねない発言をすると、炎上する傾向がある。政治家に限らず、有名人も同じだ。

政治家の例を挙げよう。

・池内さおり議員(共産党)
「ゴンゴドウダン」と政権批判して、湯川遥菜さん殺害報道に便乗したとツイッター炎上。テロリストの批判に手を貸す発言、空気を読めない発言が炎上の原因
・小西洋之(民主党)
米国議会での安倍晋三首相の演説を「ひどい棒読みだな。単語を読み上げているだけ。日本の高校生よりひどい」とツイートして炎上。悪口、揚げ足取りが炎上の原因

 

ツイッターが炎上する理由は、次の5点だ。

  1. ① 不特定多数の人が読み、リツイートで拡散するスピードが速い
  2. ② 発言に責任を持たなくてもいい、匿名の利用者が多い
  3. ③ フェイスブックやブログと異なり、論理的に書く(文語体書く)のではなく、つぶやく(口語体で書く)ため、その時の気分や感情で投稿しがち
  4. ④ 2ちゃんねる的なノリ、付和雷同、デマの拡散が起きやすいメディア特性
  5. ⑤ 拡散の途中で、言葉に尾ひれがつき、違った意味に変容していく

 

そして、炎上のメカニズムは次のような流れだ。

  1. ① 何でこの人が今こんなことを言ってるの!?
  2. ② え?まさか。ウソでしょ
  3. ③ この人、立場わきまえろよ
  4. ④ 今、空気読めよ
  5. ⑤ この発言(差別、自慢話、漏えい話、悪ふざけ)はないな

 

ただ、一番怖いのは、ネット炎上を恐れるばかりに、沈黙する社会だ。話題にわぁーと群がって、食い散らかして、さぁーと去って行く。言葉尻だけを捉え、ヒステリーに騒ぎ立てネットに拡散する。それを切り取ってマスコミが話題にする。同じ人間が何回もアカウントを変えて書き込み、炎上しているように見せかけることもできる世界だ。

ネットで話題になっている、炎上しているということだけで、マスコミも加担して騒ぎ立てる構造が、最近のネット炎上のパターンだ。そろそろこうした「言葉のリンチ」はやめたらどうか。

「言葉狩りがネットで進む」の未来形は、「沈黙する」社会だ。発言して批判を浴びるぐらいなら、黙っていようと皆が考えるのである。それは物事の本質を隠し、思考停止になる。当たり障りのない「言葉」が支配し、人を統制する、恐ろしい社会になる。

田淵 義朗 ソーシャルメディアリスク研究所代表、マイナンバー総合研究所代表

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たぶち よしろう / Yoshiro Tabuchi

神戸市出身、中央大学法学部卒業。情報セキュリティコンサルタント。宝島社(JICC)に勤務後、独立。主に個人情報とプライバシー、マイナンバー、情報漏えい問題を中心に執筆、講演等幅広く手がけている。マイナンバー総合研究所代表としては、現在、士業(会計士、税理士、社労士)対象に、無料ガイダンスを毎週土曜日実施中。http://www.mylab.com

ソーシャルメディアリスク研究所では、「不幸な人と企業を出さない」ことをミッションに、ソーシャルメディアトレーニング、コンプライアンス研修を行う。ロックバンドUNISON SQUARE GARDENの田淵智也は息子。 https://www.facebook.com/ytabuchi

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