だからスターウッドは日本でアクセルを踏む アジア太平洋地区のホテル開発トップに聞く
2020年に50ホテルを目指すつもりでやる。確定した目標ではないが、それができる環境にある。昨秋から開発案件が増えており(開発やリブランドに関する)問い合わせはほぼ毎週ある。
現在はシティホテルが中心だが、今後はリゾートにも積極的に展開する。訪日客は地方のリゾートにも注目しており、外資系ホテルが出られるロケーションは広がっている。
――どんな地域に注目していますか。
沖縄や北海道のほかに注目しているのは日本の温泉。今は外国人も温泉に慣れてきている。あとは海外からのアクセスのよいリゾート地だ。そういうところは外資系ホテルが出ていないエリアにも積極的に展開する。
北海道にアジア初の新ブランドを導入
――12月、キロロリゾート(北海道余市郡)の既存ホテルと提携して、新しいホテルブランドを導入します。
トリビュート・ポートフォリオは今年4月に発表した、当社で10番目のホテルブランド。独立系のホテルが参加する、高級ホテルの新ブランドだ。米マイアミにまず開業し、アジア太平洋地区では北海道のキロロリゾートが第1号になる。
北海道は外国人の訪問が増えており、非常にポテンシャルがある。さらにホテルのオーナー(タイの不動産大手、プロパティ・パーフェクト)とは、すでにほかのエリアで共同運営の実績があった。
既存ホテルの業績は堅調だが、今後は訪日外国人の取り込みが大事。ホテルの外国人客比率は現在約3割だが、それを当面5割をメドに拡大する。
新ブランドに部屋の大きさや設備などの基準はない。それぞれのホテルの特徴を生かしていく。設備や施設が統一されたウェスティンなどが「ハードブランド」なのに対し、社内ではトリビュート・ポートフォリオを「ソフトブランド」と呼んでいる。
すでに20年前にラグジュアリー(最上級)ホテルにソフトブランド「ラグジュアリー・コレクション」を導入し、100近いホテルを運営している(3月には森トラストと組み、日本1号店を京都で開業)。同ブランドは20年でラグジュアリーセグメントとして当社最大規模に育った。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら