「朝昼夜0円サービス」愛知の喫茶チェーンの正体 パンやスイーツが無料で付く「カフェヨシノ」
ひと昔前、名古屋では多くの人々が朝、喫茶店でモーニングを食べて、昼食後も喫茶店でコーヒーを飲むことが習慣となっていた。しかし、コンビニでコーヒーが販売されるようになり、喫茶店は大きな打撃を受けた。
100円「こどもーにんぐ」は未来への投資
とはいえ、コンビニで朝食を済ませようと、パンやサンドイッチなどとコーヒーを買うと、金額的に喫茶店のモーニングと変わらない場合もある。ドライブスルーの350円のコーヒーと「0円サービス」は、喫茶店にとって最大の競合になるコンビニを意識してのことだった。コンビニよりも美味しいコーヒーと、手作りにこだわったパンやスイーツは十分勝算があるように思える。
「おかげさまで朝の通勤時にドライブスルーを利用してくださるお客様が多いです。ランチとファイナルサービスは、今のところ中島店と山王店、小牧店、長久手店のみですが、順次全店へと展開してまいります」(吉野さん)
さらに、7月19日から10歳以下の子どもを対象に、午前7時〜11時のモーニングタイムにドリンクとパンをセットにして税込100円で提供する「こどもーにんぐ」を全店でスタートさせた。
「こどもーにんぐ」は、小学生の子どもを育てているスタッフからの提案がきっかけだったそうで、子どもに100円でラーメンを提供する店があり、わが子がそこへ行きたがることから着想を得たという。
利益はほとんど出ないが、店へ足を運ぶきっかけとなるだけではなく、未来への投資でもある。子どもたちが大人になったときに「カフェヨシノ」でモーニングを食べたことを思い出して、親子2代にわたって来店してもらえるようにとの願いが込められているのだ。
「喫茶店のモーニングは、愛知県一宮市で朝早くから来てくださるお客様へのおもてなしが原点といわれています。愛知県の喫茶文化の根底にあるのは、お客様とお店との間に形成された愛のあるコミュニケーションであり、それを発信し続けていきたいと思っています」(吉野さん)
0円サービスやドライブスルー、こどもーにんぐは、単なるシステムといえばそれまでだが、昔から地元で営業している個人店のような温もりを感じるのは筆者だけではあるまい。今度はノートPCを持参して、のんびりと原稿を書きながらコーヒーを楽しもうと思っている。
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