アップル最新決算をグラフで読み解く--その強さの源泉はどこに

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縮小


期末の在庫は減少

決算説明のカンファレンスで、アップル幹部はMacの好調に言及した。「iPadの伸長はMacの売り上げに影響を与えている。これは事実だが、それ以上にWindowsに対して影響を与えている」と説明。
 
 iPhoneについては、事前にiPhone5が発売になるという見方が広まったため、買い控えにつながったとの見方を示した。

しかし、“買い控え”が在庫拡大にはならないところが工場を持たないアップルの強みだ。9月末の在庫は7億7600万ドルと6月末の8億8900万ドルよりも減少しているのだ。前年同期末(10年9月末)の在庫10億5100万と比べると大幅な減少である。買い控えを想定し、発注量の調整を行ったためと見られる。

セグメント別の売り上げをみると大躍進を遂げているのがアジア・パシフィックだ。最大市場の北米や日本は、新型iPhone発売前の買い控えの影響で右肩下がりとなったが、成長が続いているのが、欧州とアジア・パシフィック。なかでもアジア・パシフィックのうちの中国市場の売り上げ成長が顕著。存在感を増している。
 
 アジア・パシフィックがセグメントの独立項目として登場したのは08年10~12月期のこと。それからわずか3年でここまで急成長をしたのは、中国の個人消費の好調ぶりを物語っているといえるだろう。

(山田 俊浩 =東洋経済オンライン)

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