タイの大洪水が深刻化、再開が見えない日系工場

ブックマーク

記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
はこちら

印刷ページの表示はログインが必要です。

無料会員登録はこちら

はこちら

縮小


 TDKや日本電産、ミネベアなどハードディスク駆動装置(HDD)用部品の生産を手掛ける工場も多くが冠水したままだ。9日から操業停止しているTDKはタイ国内の他工場での代替生産を検討。ミネベアも「当面は一部を外部調達して対応する構え」だが、さらに長期化すれば抜本的な見直しも避けられない。

タイは「アジアのデトロイト」とも呼ばれ、日系自動車各社も主力生産拠点を置く。

中でも直接の被害が大きいのがホンダだ。アユタヤ工場では、部品供給が滞り4日から操業停止していたが、8日には自社工場も水没した。工場敷地内に入れず「現状把握すらままならない」(同社)。浸水による生産設備への影響が想定され、部品メーカーからは「ホンダの工場停止が長期化するのではないか」と心配する声も上がっている。

また、ホンダに部品供給する昭和電工などの現地工場も被災したほか、カーナビをOEM供給するパイオニアも8日から生産停止したままだ。

ホンダは東日本大震災で大きな打撃を受け、ようやく生産の正常化にメドをつけた矢先の天災。タイ工場は年間の生産能力24万台と中規模で、影響は限定的だが、下期の挽回に向け出鼻をくじかれた。

ドル箱直撃のトヨタ

タイ東部に完成車3工場(10年の生産実績63万台)を有するトヨタ自動車も10日から稼働を全面停止している。洪水による直接被害はないが、部品メーカーが被災し、4日から部品調達に支障が出始めていた。

関連記事
トピックボードAD
ビジネスの人気記事