「タバコ屋のおばあちゃんは『前のオリンピックの立ち退きでここに来たのに、またオリンピックで立ち退きなのよ〜』と笑っていましたね。
青果店のご主人は『米屋や魚屋が閉じた後に、住民から頼まれて米や魚も置くようになった。大変だけど、置いてくれって言われるとやらないわけにはいかない。店はお客のためにあるものだから』と淡々と話されていました。
こうした話も埋もれていたかもしれないと思うと、お店の人とお話しできてよかったと思います」
3分の1の商店街はすでになくなった
2023年9月、山本さんは著書『昭和の商店街遺跡、撮り倒した590箇所〜全国厳選108スポットの[ド渋]写真〜』を出版した。掲載した商店街のうち、約3分の1はすでになくなり、もう見ることができないという。
平日は効率よく業務を回しながら、休みの日を使ってまだ見ぬ商店街をたくさん巡るのが山本さんのこれからの目標だ。
「大阪市や神戸市、尼崎市、北九州市などの都市部には、まだ回り切れていない商店街がかなりあります。しかし、あと10年もすれば、どうなることか。写真に残せるかどうかは時間との勝負。できるだけたくさん撮って回りたいと思っています」
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