「ジュラシック」に変貌した福井駅の衝撃 駅周辺の至るところに恐竜たちが出現

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一部の化石は持ち帰ることができる

どちらの施設においても、もし貴重な化石を発掘した場合は、博物館に寄贈しなくてはいけない。しかし、植物や貝の化石は持ち帰るできる場合もある。

今年4月には、博物館の近くに「かつやまディノパーク」という新たな施設がオープンした。広大な森の中に、全長20メートルのマメンチサウルスや同13メートルのティラノサウルスなど、24体の恐竜ロボットが隠れている。

ジャングルを思わせる本物の森の中をコースに沿って歩いていると、うなり声とともに恐竜が木の陰からぬっと顔を出す。恐竜の動きは実にリアルで、ジュラシック・パークと同じような体験をできる。

「うなり声を聞いただけで子供たちが泣き出してしまうので、全部見る前に引き返す家族が多いんですよ」と、施設の担当者が残念がるのも納得できるほど迫力満点。今後は、うなり声を小さくするなど迫力を抑えることも検討しているというほどだ。

どうやっておカネを落としてもらうか

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ディノパークには迫力満点の恐竜ロボットがいる

恐竜博物館を訪れる人の約8割は、県外からやってくる。さぞかし県の観光収入に貢献していると思ったら、そうでもないらしい。金沢から電車や直通バスでやってきて、恐竜博物館を見学した後、再び金沢に戻る人も少なくないというのだ。

これでは、福井県に落ちるべきおカネが石川県に持って行かれてしまう。そこで、福井県は東尋坊、永平寺、一条谷などの県下の観光名所をめぐり、あわら温泉など県内に宿泊するプランを盛んにPRしている。ただ、福井の観光が本格的に盛り上がるには、新幹線が敦賀まで延伸するのを待つしかないだろう。

北陸新幹線が敦賀より手前の福井駅まで延伸するだけでも、福井県に落ちるカネがぐんと増える――。このような発想から、福井駅への早期延伸を求める声もある。

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