初公開!「内部通報が多い」100社ランキング 「十分な活用がされなかった」東芝は29位

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 東芝は29位(61件)。この61件が第三者委員会で「少ない」と指摘されたようだ。1件当たりは589.2人。上位企業と比べると数字はよくない ようにも見える。たとえば6位のダイハツ工業は同64.9人と東芝の約10分の1。件数当たりで従業員数に10倍の差があることになる。

東芝のCSRの取り組みをおさらい

東芝はCSR先進企業として知られていた。『CSR企業総覧』2015年版にはこのような情報が掲載されている。

  • ・ 1990年に制定した東芝グループ行動基準を16カ国語で発行し世界のグループ会社で導入。企業倫理の方針、社員の行動規定として位置づける
  • ・ 全従業員対象のeラーニング、新入社員・役職者等への階層別教育・セミナー等でコンプライアンスを徹底
  • ・ 内部通報制度は2000年に設置。2014年夏時点で社外の弁護士事務所への通報制度も含め体制を整備し、周知・徹底を推進
  • ・ 法令等に関わる事件等は2011~2013年度の3年間ゼロ
  • ・ 業務部門から独立した内部監査部門を設置
  • ・ 汚職・贈収賄防止のガイドラインや方針を設定
  • ・ CSR上問題のある取引先との取引停止等の実施

2003 年には、他社に先駆けいち早く委員会設置会社への移行もされており、上記の内容ともあわせてガバナンスでも先進企業と高く評価されていた。だが、こうした 企業でも大きな問題が発生することがあらためて明らかになった。内部通報制度や社外取締役もどう機能させるかが重要ということだろう。

それを見るために社外からどのような情報を使って評価すべきなのか。CSR調査などを行う我々にも大きな宿題が与えられたように感じている。

岸本 吉浩 東洋経済 記者

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きしもと よしひろ / Yoshihiro Kishimoto

1996年東洋経済新報社入社。以来各種企業調査にかかわる。『CSR企業総覧』編集長として、CSR調査、各種企業評価を長年担当。著書に『指標とランキングでわかる! 本当のホワイト企業の見つけ方』など。2023年4月から編集局記者、編集委員、『本当に強い大学』2023年版編集長。

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