新しい世界、新しい常識を創ることが、リーダーシップにおける基本的な振る舞い方--原田泳幸・日本マクドナルドホールディングスCEO(中)
2011年8月29日に行われた日本マクドナルドホールディングス代表取締役会長兼社長兼CEOの原田泳幸氏の講演録の第2回目。
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こうやって見ていきますと、私どもの顧客に対する価値は2つあります。まずは有形の価値である最も納得感、お得感の高いメニュー。そして無形の価値である利便性です。社内ではスーパー・コンビニエンスと呼んでいますが、徹底してお客様の利便性という価値を高めていくことです。
当初の “Speed of service”から始まり、ブレックファスト、ダイニングテーブル、そしてドライブスルーという独自の利便性を発展させてきました。最近では24時間営業、さらに今後はデリバリーです。こういった利便性の追求は成長の大きな柱になっています。そのほか価格改定、地域別価格やeマーケティングの展開、フランチャイズ構造改革なども行っています。
ここで大事なことは、シーケンスでのいちばん下のレイヤーであるQSC(品質、サービス、清潔さ)が普遍的な第一優先順位だということです。公園にある木がもっと大きく成長するためには、どんどん根を張っていく必要があります。QSCが崩れると、その上に重ねていく活動、投資は、リターンを担保できないということになるのです。
このような形で、7年連続マイナスの時代から、今年を入れて8年連続プラスへと切り替えました。決してロケット・サイエンスを行ったわけではなく、基本中の基本を行ったのです。業績についても、全店売上高は2003年の約3900億円から10年は5400億円まで上がりました。
累積で25%以上の値上げを実施
さて、前述のようなシーケンスを伴った活動計画を実現するためには、それはいろいろな改革が必要でした。この改革についてあらためて少しお話しします。