新しい世界、新しい常識を創ることが、リーダーシップにおける基本的な振る舞い方--原田泳幸・日本マクドナルドホールディングスCEO(中)

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 また、どういう価格付けであろうと、価値を提供し対価をいただくわけですから、いちばん大事な点は値段を上げるときには価値を上げる、という原則です。さらに、無形の価値の部分も顧客価値認識としては見据えなければいけない大きな柱になります。

価値と価格の組み合わせを幾つか見ますと、まず価値を変えずに値段を下げる。よくある円高還元セールです。この方法は需要を喚起しますが、マーケットシェアを奪うシェアゲームにしかなりません。また、ガソリン高騰のために値段を上げたり、少しボリュームを少なくしたりして同じ価格で提供することもよくあります。

継続的な成長を考えたときに、何に着目すべきか容易にわかるでしょう。このような視点で、ディマンドベースプライシングという高度なシミュレーションをしながら値段を6回上げてきたのです。

外食産業不振の時代と言われています過去7年間で、私どもは1回も値下げをしていません。累積で25%以上の値上げとなりますが、客数はまったく失っていないどころか、7年間で35%以上増加しています。

また、地域別に値段を5段階に設定しました。現在ナショナル・ブランド、グローバル・ブランドを持っている商品は、全国どこでも同じ価格です。人件費も家賃も違う中で、ワンプライスでいいのだろうかということで、5段階の価格を展開しました。

最近では5段階に加えて、羽田空港、成田空港といった特殊な場所は、いちばん高い東京よりもさらに高く設定しています。今は地域別価格ですが、今後はロケーション別に設定する機会も出てこようかと思います。

次に、戦略的閉店についてお話しします。昨年、一気に433店舗を閉店しました。閉店した店舗は不採算店舗だけではありません。なぜかというと、それは先に申し上げた将来の継続的成長のためです。順調なときに、痛い思いをしながら将来の成長を図る。すなわち、お客様に継続的に価値の向上提案をできない店を全部検証し、閉店するということを行ったのです。

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