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絶好調!半導体エヌビディアのすごみと"死角" 大口客GAFAMが半導体を内製化したらどうなる

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今やCUDAを活用する開発者は約400万人。AIモデルの開発で圧倒的なポジションを握るのは、エヌビディアの開発環境こそ、業界のデファクトスタンダードになっていることが大きい。半導体メーカーにもかかわらず、同社の従業員の過半がソフトウェアエンジニアであるほどだ。

もちろんソフトウェアだけでなく、ハードウェアのGPUもハイペースで進化させてきた。17年に「V100」、20年に「A100」、22年には現在の主力モデル「H100」と、約2年おきに新製品をリリース。それぞれの製品の性能は前世代品に比べて数倍にも向上させている。

24年からはより性能を向上させた「B100」の量産を開始。25年には「ブラックウェル ウルトラ」を投入することを明らかにしている。これまで新製品の投入は2〜3年おきだったが、今後は開発サイクルを加速し、1年おきに新GPUを投入する予定だ。AI半導体市場で追い上げようとする競合他社を突き放しにかかる。

これまでは新製品が出るたびに価格が大幅に上昇を続け、現行のH100の価格は1基約500万円。それでも価格以上に性能は向上しており、フアンCEOは常々、「買えば買うほど(開発時間やコストを)節約できる」と豪語しているほどである。

“エヌビディア包囲網”の行方

現状の半導体業界はまさにエヌビディア中心に回っているといっても過言ではない。

例えばエヌビディアが生産を委託する台湾TSMC。魏哲家CEOは4月の決算説明会で「AI半導体向けの24年の売上高は前年比で倍以上になり、28年には総売上高の20%を超える」とコメントした。また、エヌビディア製品には高性能のDRAMも併せて搭載されるため、自社製品の採用につなげようと、韓国SKハイニックスなど大手DRAMメーカーも投資競争で火花を散らしている。

ただし当然ながら、エヌビディアの独走を、各社が指をくわえて見ているわけはない。今後の焦点は“エヌビディア包囲網”の行方だろう。

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