なぜ彼女は「ジョブズ再来」と絶賛されるのか ヘルスケア革命を率いる女性起業家の正体

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ホームズ氏が、これまでの女性起業家のスケールを超越していることは、受賞の数や内容からも分かる。今年、米『フォーブス』誌が選ぶ「独力でリッチになった米国人女性」でトップを飾り、同誌の「2015年・世界のビリオネア」では、360人のうち13位にランクイン。「世界で最もパワフルな女性」(同誌・2015年)にも仲間入りを果たすなど、枚挙にいとまがない。

そして、何より話題を集めたのが、優秀な人材を育てるための若年層向け米教育機関(非営利団体)「ホレイショ・アルジャー協会」が選ぶ「傑出したアメリカ人」賞を受賞したことだ。

血液検査をもっと安く、簡単に

ホレイショ・アルジャーとは、貧困を克服して成功した少年を描くアメリカンドリーム・ストーリー『ぼろ着のディック』の著者。その名前を冠した同組織は毎年、傑出したアメリカ人複数に賞を与える。

今年は、12人の起業家などが栄誉に輝いたが、ホームズ氏以外は、白髪が目立つ年配の男性ばかりだ。そうそうたる男性陣に囲まれ、光沢のある淡いピンクのドレスに身を包んだホームズ氏は、まるで父親の受賞に同伴した娘のようにも見える。だが、ほかの受賞者に引けを取らない、自信に満ちた物腰はさすがだ。

ホームズ氏がここまで評価される理由は何なのか。それは、従来の高額な血液検査に比べ、はるかに廉価で容易な、庶民に手が届く血液検査を開発・提供していることにある。

昨年11月に登壇したTEDトークでホームズ氏が語ったところでは、全米で糖尿病予備軍は8000万人に上るが、その9割が症状に気づいていないという。また、糖尿病にかかわらず、どの病気でも、医者から検査をするよう言われても、4~6割の患者が検査を受けない。その理由を「(検査代を)払えないからです」と、ホームズ氏は語っている。アメリカの医療保険会社は、あの手この手で治療費を抑えようとして、薬代や検査代などに制限をつけることが多い。

こうした中、セラノスはできるだけ安価で血液検査を受けられるような、検査方法と流通網を確立。従来は医療機関が注射で血液を採取し、ラボでその結果を分析する必要があったのを、検査を受けたい人がセラノスの提携先であるドラッグストアに行けば、検査を受けられるようにした(結果は独自のラボで分析)。

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