東京で生活している人が、箱根や軽井沢に「居場所」を求めた場合、何か問題が起こったら、すぐ東京に戻れるという安心感はありますが、その安心感と引き換えに、絶えず仕事のことを考えてしまうため、気持ちの切り替えができないといいます。
島であれば物理的な距離があるため、それが心理的な距離感を生み出すことで、頭を切り替えることができる……という人がほとんどでした。頭の切り替えには、自宅や職場との適度な距離感が重要なのかもしれません。
ギスギスした人間関係をリセットしたい
島に自分の居場所を求める人の多くは、都会で暮らしている人たちです。田舎で生活している人が、島に居場所を求めるケースはほとんどなく、その大半が都会の喧騒を離れて、ギスギスした人間関係をリセットしたいと考えているようです。
移住者の多い島に足を運ぶとわかりますが、元から島に住むのんびりと人たちと、都会の暮らしに疲れた人たちが、お互いに反目することなく、いい感じで混ざり合って穏やかなコミュニティを形成しています。
プチ移住(お試しの短期移住)や旅行で島を訪れて、「こうした環境で暮らしてみたい」と、移住やセカンドハウスとしての利用を考え始める人が多いと感じています。
お金のある人が日常とは別の場所に居場所を見つけるならば、日本ではなく、海外の島も選択肢に入るでしょうが、ほとんどの人は金銭的にも時間的にも、そこまでの余裕はありません。
ハードルを低くして、物理的な環境を変えたいと考える人が、ごく自然に日本の島に目を向けているというのが現実です。
日本の島には、「海や山などに自然が身近にあって、のんびりとした時間が流れる」とか、「新鮮な地元の食材が豊富にある」といったメリットがあり、どこに行っても日本語が通じますから、わざわざ海外に行かなくても、十分に満足できている人が大半を占めているようです。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら