そっくり商品も出現「ユニクロ」中国で不振の異変 国内に次いで大きな市場、この1年で何起きた?
ユニクロのグレーターチャイナの店舗数は1031店舗(2023年8月末)。うち中国本土が9割超の925店舗で、国内の800店舗を上回る。
今は全体の好調の陰に隠れて目立たないが、中国の不振が業績に与える影響は大きい。
不動産不況が長引き、雇用の悪化と中国経済の減速が鮮明となった1年前から、ファーストリテイリングは決算会見でユニクロ中国事業の見通しをたびたび聞かれてきた。
柳井正会長兼社長は昨年10月、「ショートタームでは景気後退はあるかもしれない」としながらも、長期的な消費の成長に自信を示し、中国の特殊性を強調するのは欧米流の考え方だと反論した。
しかし2024年3~5月のグレーターチャイナ事業は予想より下振れし、ユニクログレーターチャイナCEOを務める潘寧氏は7月11日の決算会見で中国事業の変調を認めた。
ユニクロ風味で安い「平替」が出現
潘氏はユニクロ中国事業の不振の原因を、コロナ禍収束によるリベンジ消費で前年同期の業績がよかったことの反動、消費意欲の低下や天候不順、ショッピングモールの集客力低下、さらにマーケティング活動の不足や、ニーズにあった商品構成が不十分だったことなどと説明した。
天候要因は別として、「景気低迷で財布のひもが固くなった消費者に逃げられた」と総括できる。
潘氏は中国の消費者の新たな価値観として「平替(ピンティ)」というキーワードを紹介したが、そのことは中国でも話題になった。
「平替」とは「より安価な代替品」という意味で、例えるなら無印良品の商品とどこか似ている、100円均一の収納ケースといったところだ。
潘氏は中国の消費トレンドとしてさらっと紹介したが、ユニクロは中国でまさに「平替」に売り上げを吸われている。
中国のECプラットフォーム「タオバオ(淘宝)」や「ピンドゥドゥ(拼多多)」で「優衣庫(ユニクロ)平替」を検索すると、「ユニクロと同デザイン」「商品タグを切ったユニクロ」「ユニクロ差押え品」と称したユニクロもどきの商品が多数ヒットする。価格は本家より2~5割安い。
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