アルゴリズムを使った「性格判断」は可能か 人間の主観より正しく見極められる?

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カリフォルニア州パロアルトにある消費者金融会社「アップスタート」の共同創業者で、製品責任者を務めるポール・グー(24)(写真:Jim Wilson/The New York Times)

コンピュータは難しい数学の計算をこなしたり、かわいいネコの動画を見せてくれるだけではない。最近では人間の「性格」を分析することも得意になってきている。

ありがたい話だ、たぶん。

カリフォルニア州パロアルトにあるアップスタートは、信用情報そのものがろくに存在しない人々を対象にした消費者金融会社だ。社会人になったばかりで家や自動車のローンもなければクレジットカードの利用履歴もほとんどないといった人たちを相手に、過去15カ月間に計1億3000万ドルを貸し付けた。

学生時代の成績で「信用調査」

信用情報は時間とともに積み重なっていくものだが、彼らは社会に出たばかり。そこでアップスタートは、おカネを借りたい人々のSAT(大学進学適性試験)の点数や、卒業した大学での専攻科目や学生時代の平均成績をもとに審査を行っている。今後の雇用の安定性とともに、その人の人となりも評価しているわけだ。

「同じ職に就いていて子供がいる、といった環境も同じ人が2人いた場合、学生時代の成績がいい人のほうが5年先でも借金をまじめに返済している傾向がある」と語るのは、アップスタートの共同創業者で製品責任者を務めるポール・グー(24)だ。「支払う能力があるかどうかの問題ではない。自分に課せられた義務をどれほど大事だととらえるかの問題だ」

つまりこれは、学生時代に宿題をきちんと見直していたとか抜き打ちテストに備えてまじめに勉強していたような人はきちょうめんで、借金の返済もきちんと行うという、データに裏付けられた審査基準。解析学と性格判断の出会いというわけだ。

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