太田市は外国人労働者の流入で変貌した 移民と地元住民の交流が希薄な街
太田市の中心街は、1週間のうち6日間は静かだ。多くの労働者にとって唯一の休日である日曜日だけは、電車の駅の周りをうろうろしたり、教会やモスクに集まる外国人労働者がみられる。同市のカトリック教会はタガログ語、スペイン語、ポルトガル語、日本語、韓国語の5カ国語でミサを行う。牧師のキム神父は韓国の出身だ。
スバルのサプライヤーで働くマネジャーや人材派遣業者によると、同市の自動車産業では、労働者の民族性が職場での序列に大きく影響する。日本人労働者が階層の一番上に位置し、日系ブラジル人がそれに続くという。彼らは特別ビザの資格で他の外国人より日本に長く滞在し、日本語を話すからだ。
その下に位置するのが、難民ビザでの入国者が多い南アジア人。ピラミッド階層の最下部に位置するのがアフリカ人労働者だ。ある現地メーカー幹部は、ネパール、スリランカ、インド、バングラデシュからの難民を特に好んで使う。安い給料で困難な仕事も進んで引き受けようとするからだという。
これについて、富士重工はロイターに対し「慎重に確認したが、そういった事実はなかった」としている。
太田市の郊外では、伝統的なイスラム教の服に身を包んだ男性たちが、礼拝を終えてダルサラーム・モスクからあふれてくる。サフランライスと鶏肉の食事をとりにハラールカフェ(イスラム教の教えに則って調理したものだけを出すレストラン)に向かう。ブルカ(伝統的なイスラム教信者の女性が被るベール)を被ったアフガニスタン人女性は子供たちを教会の隣のマドラサへ連れて行く。
マリやイエメン、アフガニスタンなどの国々から来たイスラム教徒がつくるコミュニティはモスク周辺に根付くと、唯一日本人のイマーム(モスクの集団礼拝の指導者)のアブドラ―氏は言う。
同氏は「ここに来る人々の多くは、日本語や相手の言語を話すことはできないが、共に祈り、寝食を共にしている」と語った。
*この記事は、特別リポート:「スバル」快走の陰で軽視される外国人労働者の関連記事です。
(Thomas Wilson, Mari Saito and Antoni Slodkowski 翻訳編集:加藤京子、北松克朗)
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