海外金融市場で本領発揮、日立キャピタルの身上

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ところが、10年10月以降、リースバック取引の売買について増値税は適用除外になった。医療機器以外にかけられていた長年の桎梏(しっこく)が解消されたのだ。

実際に、状況は一変しつつある。建機、産業機械などへとビジネスチャンスが拡大し、10年度に医療機器が全体の98%を占めた中国のリース取り扱い構成は、直近では「医療70%、その他30%」と様変わりしている。今後、拠点拡充と相まって、リース取引が急成長する可能性は大きい。

こうした中国での明るい材料があるとはいえ、海外事業を楽観できる状況ではない。世界は今、深刻な経済危機に直面している。下手をすれば、日本企業も進出国で大やけどを負いかねないリスクが高まっている。

だがその一方で、経済危機で信用収縮が深まれば、その分、日本の金融業の相対的な優位性がさらに高まるとも考えられる。となると、日立キャピタルが従来、海外で進めてきた現地化オペレーションと財務の健全さが、これまで以上の武器となる可能性が高い。

荒波にのみ込まれなかった者が新大陸に到達したように、危機に局面する中で、舵を巧みに切ることができる日本企業こそが、グローバル化に成功する。日立キャピタルは自ら掲げる「海外事業比率40%以上」を実現できるのか。その力量が試されている。

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(浪川 攻 =週刊東洋経済2011年10月8日号)

※記事は週刊東洋経済執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります。
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