海外金融市場で本領発揮、日立キャピタルの身上

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成長するアジアでは債権を作り出す戦略

もちろん、金融危機で「不良債権も発生した」(三浦社長)が、米国の現地企業と比べれば、はるかに傷は浅く、プレゼンスを高めることができている。三浦社長は、こうした欧米の状況を踏まえたうえで、さらに進出する余地があると判断したという。具体的には、フランスなど欧州大陸やカナダに照準を合わせている。

「成長力のあるエリアでは債権を作り出し、成長が止まったエリアでは既存債権を回収するビジネスができるのではないか。回収は当社の得意領域だ」(三浦社長)

現在、現地市場を調査中だが、この仮説を立証できれば、得意の回収ビジネスでの進出を目指す。

一方、債権を創造するエリアとなるのはアジア圏、中でも中国である。すでに10年4月に深セン、11年4月には上海に拠点を開いたが、さらに、華北の瀋陽、華中の武漢、内陸部の成都と、3大都市への早期進出を計画している。

戸沢常務は、中国市場拡充の手応えを十分に感じている。

「中国でのビジネスは難しいが、医療分野では医師資格を有する人材などを社員化し、事業を伸ばしてきた。それに加えて、リース事業は税制改正が大きなプラスに働いている」

戸沢常務が指摘する税制改正とは、売上税に相当する増値税に関するもの。従来、リース取引は増値税の対象となっており、同税率(17%)の重さはリース取引のネックだった。実際、中国でのリースは税金が課されない医療分野に限られていたといってもいい。

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