「ベストレストラン」日本の店がTOP10に入るには 世界1位はスペインの店 日本の店で最高は15位
しかしその「多数」というのが逆に、日本を訪れる(投票者を含めた)ゲストの支持が分散する原因でもあると関係者の間では言われてきた。
このランキングの最大の特徴は、いうまでもなく1位から50位までの順位がつくことだ。どのレストランがランクインしたかと同じかそれ以上に、何位だったか、昨年より上がったか下がったかが見る人たちを一喜一憂させる。カウントダウン形式で1軒ずつ発表され壇上に呼ばれる緊張感も、順位があってこそだ。
日本の店が10位以内に入ったのは過去2回
このランキングが創始された2002年以降、日本のレストランが10位以内に入ったのは2回。2015・2016年に8位に入った「ナリサワ」(東京)だ。
シェフ成澤由浩(なりさわ・よしひろ)氏はフランス料理を超えた“イノベーティブ里山キュイジーヌ”(革新的里山料理)という新たなジャンルを構築。日本の里山にある食文化や先人の知恵の豊かさを料理で表現しており、2009年から2022年まで長きにわたり50軒の中にランクインしてきた。
欧州やアメリカから遠いアジアの、ことにアクセスがしづらい島国である日本のレストランが、多くの投票者を含めたゲストの訪問を受けるのは容易ではない。
昨今は知名度を上げ順位を獲得するために、国や地域を超えたレストラン同士のコラボイベントなどをはじめとした発信力も欠かせないといわれる。そのためにはシェフ同士の交流も必要になっているようだ。
開始から20年を超え、料理のおいしさ以外の要素が多く求められる「世界のベストレストラン50」のランキング。「おいしい店」よりも「旬の店」。そのような世相を色濃く示しているのが、「世界のベストレストラン50」の現時点での実相なのだ。
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