正念場の欧州金融機関、デフォルトならリーマン・ショックの再来に?


マーケットの見方がいくら実態と乖離していても、今はそれが現実。不安や懸念が払拭されないかぎり、カウンター・パーティ・リスクが警戒され、欧州金融機関は資金調達環境の悪化を強いられる。
 
 また、「欧州の銀行は、09、10年度にトレーディング収益で稼いだが、貸し出しや手数料など足元の収益は落ちている」(スタンダード&プアーズの根本直子マネジングディレクター)。財政不安国は緊縮財政の影響から景気後退の懸念が強い。国債の毀損リスクにとどまらず、企業など民間貸し出しの不良債権化というおそれも出てくる。

EFSF(欧州金融安定化基金)の追加支援には、EU加盟国のすべての賛成が必要で、迅速な実行は見込みにくい。「ユーロ共同債発行の話が出ているように、長期的にはEUの財政統合が現実的な選択肢だろう」(SMBC日興証券の伴豊シニアクレジットアナリスト)。
 
 しかし、大がかりな体制変更は時間がかかる。EU加盟国の足並みがそろわず、ギリシャ支援の行方が混迷するほど、銀行への風当たりも強まるはず。ECBが信用不安の抑制に万全を期しても、欧州金融機関は政治リスクという予測不能の“ストレステスト”に揺さぶられ続ける。
 
(週刊東洋経済2011年10月1日号より)

記事は週刊東洋経済執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります。
photo:Mohamed Yahya CC2.0 BY-SA
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