SDGsには、目標12「つくる責任 つかう責任」、目標14「海の豊かさを守ろう」、目標15「陸の豊かさも守ろう」など義務的な目標も少なくない。こうした守りの面も含めることで、アピールだけでない、真のSDGs達成を真剣に取り組む企業を知ることができる。
トップは第一生命ホールディングス
ランキングを見ていこう。1位は第一生命ホールディングスが金融機関で初めてトップとなった。分野別は人材活用7位、環境5位、社会性17位、企業統治1位とバランスよく高評価だった。
同社はSDGsから独自に導出・分析した50の社会課題から14の重要課題を選定。「すべての人々の幸せを守り、高める」ことに通じた価値創造そのものがSDGs実現への貢献につながると考える。取り組みはグループサステナビリティ推進委員会がグループ横断的に推進。業務委託先との対話として「サステナビリティアセスメント」を実施するなど取引先との連携も進める。
女性管理職比率29.4%など、女性活躍関連の指標は高水準だ。全社員対象のLGBT理解促進研修を行うなど、ダイバーシティーの取り組みも幅広く行っている。
環境面では、脱炭素に向けて温室効果ガス(GHG)排出量削減の取り組みが際立つ。スコープ1+2(自社のGHG排出+電力等の間接GHG排出)を1年間で76.0%削減した。再生可能エネルギー利用率は92.3%まで達している。
本社・支社での社会・地域貢献活動やボランティア活動にも積極的だ。ボランティアの参加者は2023年度に3万8745人にものぼる。
第一生命カンボジアで、小児病棟に入院している子どものために病棟内に遊び場を建設するなど精神的ケア支援を行うといった多くの取り組みを国内外で実施している。
2位は昨年トップのJ.フロント リテイリング。大丸松坂屋百貨店やパルコを擁する同社はサステイナビリティー経営の実現に向け、「脱炭素社会の実現」「サーキュラー・エコノミーの推進」など7つのマテリアリティー(重要課題)に取り組む。
ビジネスでの課題解決に力を入れ社会性と企業統治の得点はトップ。2021年に使い捨てを減らすためのファッションサブスクリプション事業「アナザーアドレス」を立ち上げ。生物多様性保全として、大丸心斎橋店の屋上で都市養蜂を実施し、取引先と共同で商品開発・販売も行う。
100%再生可能エネルギーを使用する店舗も年々増え、2023年には関西・関東以外の中部地区にも拡大した。環境に配慮した店舗づくりに力を入れる。
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