東武東上線「武蔵野線との乗換駅」朝霞台の実力 2024年8月で開業50年、乗降人員は東武全線4位

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武蔵野線乗り換え以外の利用も多い。南口からは西武池袋線のひばりヶ丘駅・東久留米駅方面へのバス、羽田空港連絡バスが発着する。駅周辺にはTMGあさか医療センターや東洋大学朝霞キャンパス、本田技研工業の拠点がある。東洋大は2024年4月、「板倉東洋大前」という日光線の駅名にもなっていた板倉キャンパス(群馬県板倉町)の学部が移転してきた。

春には黒目川の桜堤が花見客でにぎわうほか、8月には朝霞市民まつり「彩夏祭(さいかさい)」が開催されるなどの風物詩もある。

朝霞台駅長の楠元道明さんは群馬県太田市出身。25歳になる直前に東武鉄道に社会人入社をしたが、それまでは「どこにも勤めずフリーターをしていた」という。業平橋(現・とうきょうスカイツリー)の駅員からスタートし、助役や本社勤務を経て、2015年7月に亀戸で初めて駅長になった。

2016年3月には亀戸駅長としてリバイバルカラー車両の出発式、2017年4月にふじみ野駅長として「ももクロ号」の出発式に参加するなど、なぜかメディアでの露出が多かった。2019年10月から駅長を務める朝霞台駅については「東上線沿線の川越などと本線の日光・鬼怒川エリアをJR武蔵野線を介して結ぶ、観光需要創出の点でも重要な乗換駅」と位置付ける。

楠元駅長は「6月に運行したJR八王子―東武日光間を直通する臨時特急『スペーシア八王子日光』は満席だった」と振り返る。「事前にJRさんと一緒にパンフレットを配ったり、当日は北朝霞駅のホームでお見送りをしたり」と、JRとの連携にも積極的だ。そんな楠元駅長は2025年春に定年を迎える。

東上線 朝霞台 楠元駅長
朝霞台駅長の楠元道明さん。武蔵野線だけでなく道路もホームの上空をまたぐ(記者撮影)

工事が進む駅構内

朝霞台駅は橋上駅舎で、南北の駅前広場を結ぶ自由通路に面して改札が1カ所。切り通しの中を走る東上線の2面4線のホームとは階段またはエスカレーターを使って行き来する。

乗降人員の多い駅でありながら、改札階とホームをつなぐエレベーターがなく、バリアフリー化が遅れていた。現在、改札口の向かいに新たに専用口を設けてエレベーターを設置する工事が進んでいる。南北の駅前広場にも新設、合計4基のエレベーターは2025年度中に供用開始を目指している。バリアフリートイレも設ける計画だ。工事に伴い、構内にあった東武ファイン朝霞台の店舗は2024年3月末に閉鎖された。

東武鉄道は2027年度までの中期経営計画で、スカイツリーラインの西新井などとともに、朝霞台に関して「人流の創出を図る沿線中核拠点開発に向けた検討の推進」することを掲げている。現時点では「詳細は決まっていない」(広報部)というが、この先、開業50年を迎えた朝霞台のさらなる進化が見られそうだ。

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橋村 季真 東洋経済 記者

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はしむら きしん / Kishin Hashimura

三重県生まれ。大阪大学文学部卒。経済紙のデジタル部門の記者として、霞が関や永田町から政治・経済ニュースを速報。2018年8月から現職。現地取材にこだわり、全国の交通事業者の取り組みを紹介することに力を入れている。

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