「引きこもりの男性」を別人に変えた小さな習慣 92歳のシスターが説く「足るを知る」ことの意味

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アメリカの詩人、エミリ・ディキンスンの詩に「1羽の弱ったコマツグミをもう1度、巣に戻してやれるならわたしの人生だって無駄ではないだろう」という詩があります。(出典:『エミリ・ディキンスン家のネズミ』エリザベス・スパイアーズ著、長田弘訳/みすず書房)

弱った1羽の鳥を救うことができたなら。誰かが苦しんでいるときに、ちょっとでも手を差しのべられる存在になれたなら。人生において、それほど心を満たしてくれる体験はないでしょう。

あなた以外の誰かの役に立って初めて、お金やものが役に立つのです。物質的に豊かだからこそ、1羽の鳥を癒やすという心のゆとりが生まれることもあるのです。

物質的に豊かになった今だからこそ、「道具」と「目的」を混同しないようにしたいものです。

日常は「ささやかな成功体験」に満ちている

生きていく上で、成功体験を積むことはとても大切なことです。

行動をする際に、成功体験を思い出すことは、とても重要なことだといわれています。成功体験が心の杖のように支えになったり、トランポリンのように弾みをつけてくれるからです。

成功体験というと「難しい試験に合格した」とか「出世をした」「大儲けをした」などという大げさなイメージがつきまとうかもしれません。ですが、大切にしたいのはあなた自身しか気がついていないようなささやかな「成功体験」です。

たとえば「きちんと電車に乗って、予定通りに目的地に着けた」というような日常のことでいいのです。それを、自分の心の中で、できるだけ大げさに言い換えてみてください。

「今日は朝早くに起きて、身支度をととのえて家を出ることができた」

「電車に遅れるかと思ったが、なんとか走って乗ることができた」

「しかもケガや事故もなく、無事に目的地に着けた」

こう書くと、毎日満員電車に揺られて通勤をしている方には、「誰もができる当たり前のことではないか」と笑われそうです。ですが、よく考えると「誰もができること」こそ、実は感謝すべきすごいことではないでしょうか。

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