町中華の「チャーラー」に人はなぜ魅せられるのか チャーハン、ラーメン、交互に食べて得られる幸せ
SNSにおいても、インスタやFacebookに流れてくる高級寿司店や高級フレンチが「背伸びした幸せ」だとしたら、チャーラーは「等身大の幸せ」だと思う。ゆえにSNSでは、匿名ゆえに本音をさらけ出している人が多いX(旧Twitter)との親和性が高い。
正直、背伸びをして承認欲求を満たすのは疲れるし、それを見せられる側もシンドイ。それよりも今、目の前にある幸せを見つけることのほうがすばらしいと思うのだ。チャーラーはその象徴なのである。
奥が深いチャーラーの世界
チャーラーの醍醐味は、チャーハンとラーメンを交互に食べたときに口の中いっぱいに広がる味の余韻。2つの料理ゆえに単純に考えれば味の足し算になるのだが、それぞれの持ち味がケンカすることなく引き立て合い、1つの完成された味へと昇華させる。それは単なる足し算ではなく、味の掛け算なのである。
それを実感させてくれたのが、名古屋市中村区にある「太陽食堂」だ。ここは名古屋、いや、全国でも珍しいチャーラー専門店。つまり、メニューは焼きめしと中華そばのみ。それぞれ単品でも注文することはできるが、大半の客はチャーラーを目当てに訪れている。
不思議なことに、ここで焼きめしを食べると中華そばが、中華そばを食べると焼きめしが無性に食べたくなる。店主いわく、
「それぞれ単品で食べると、あえて物足りなく感じるように作っています。チャーラーはセットメニューではありますが、僕は一つの完成された料理だと思っています」とのこと。
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