町中華の「チャーラー」に人はなぜ魅せられるのか チャーハン、ラーメン、交互に食べて得られる幸せ

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中国料理 ニーヨン
筆者が20代の頃、仕事の帰り道によく立ち寄っていた思い出の店「中華料理 ニーヨン」のラーメン+炒飯(780円)。昼も夜もオーダーすることができる(筆者撮影)

SNSにおいても、インスタやFacebookに流れてくる高級寿司店や高級フレンチが「背伸びした幸せ」だとしたら、チャーラーは「等身大の幸せ」だと思う。ゆえにSNSでは、匿名ゆえに本音をさらけ出している人が多いX(旧Twitter)との親和性が高い。

正直、背伸びをして承認欲求を満たすのは疲れるし、それを見せられる側もシンドイ。それよりも今、目の前にある幸せを見つけることのほうがすばらしいと思うのだ。チャーラーはその象徴なのである。

奥が深いチャーラーの世界

チャーラーの醍醐味は、チャーハンとラーメンを交互に食べたときに口の中いっぱいに広がる味の余韻。2つの料理ゆえに単純に考えれば味の足し算になるのだが、それぞれの持ち味がケンカすることなく引き立て合い、1つの完成された味へと昇華させる。それは単なる足し算ではなく、味の掛け算なのである。

太陽食堂
「太陽食堂」の焼きめしセット(1180円)※ラーメンの具材や炒飯の器などは現在店で提供されているものとは異なる(筆者撮影)

それを実感させてくれたのが、名古屋市中村区にある「太陽食堂」だ。ここは名古屋、いや、全国でも珍しいチャーラー専門店。つまり、メニューは焼きめしと中華そばのみ。それぞれ単品でも注文することはできるが、大半の客はチャーラーを目当てに訪れている。

不思議なことに、ここで焼きめしを食べると中華そばが、中華そばを食べると焼きめしが無性に食べたくなる。店主いわく、

「それぞれ単品で食べると、あえて物足りなく感じるように作っています。チャーラーはセットメニューではありますが、僕は一つの完成された料理だと思っています」とのこと。

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