TBS退職→Netflixと5年契約「50代P」選んだ道 「不適切にもほどがある」「俺の家の話」手掛けた
「編成部にいた当時、そのままいくとドラマ部に戻ってライン部長になり、局長とか役員になる道の分かれ目があったんです。でも、私は出世するよりも現場が良かった。ドラマを作るたびに朝4時に起きて、私は何をやっているんだろうって思うときもありますが、楽しいからできる。それで、そのとき、希望を出してTBSグループで制作プロダクションを担うTBSスパークルに出向しました。待遇的には局長職でしたが、もうラインに乗っていませんでした。(TBSにいる)夫を見ていると選択肢はいろいろあったのかなって思ったりもしますが、今の道はその時点で作られたんだと思います」
磯山さんは「こういう選択もあるっていうことを後人にもお知らせしたい」という思いも語っていました。
一方で、自身が手掛けたいドラマの方向性と配信の相性の良さも決め手になったと言えます。
「『木更津キャッツアイ』を2002年にTBSで放送したときに「(このドラマを)すごく好きな人だけが好きな空間で集まって観れたらいいのに」っておっしゃってくれた方がいて。この言葉に触発されて、映画にしたらヒットしたことがありました。ドラマには特性というものは確かにあって、自分が作るドラマは確かに配信に合うって思います」
TBSで2000年に放送された「池袋ウエストゲートパーク」がNetflixで2023年1月に配信されると、日本国内のNetflix 週間TOP10(シリーズ)で2週連続3位、3週目も4位にランクインするほど反響を呼んだことからも裏付けることができます。
「ふてほど」とは別のベクトルのSF設定
フリープロデューサーとなり、Netflixと5年契約を結んだ今、「たとえラブストーリーであっても、つい笑ってしまうような振れ幅が大きいドラマを作りたいと思っています。明るくできるものだったら、日本でもいろんな国の人にも通じるはず。挑戦したいです」と語る磯山さん。
第1作目は、TBSグループの海外戦略を担うTBSホールディングス100%子会社THE SEVENのプロデューサーとしてNetflixオリジナルドラマを制作する計画を明かしてくれました。宮藤官九郎脚本であることもわかっています。ドラマの具体的な内容は現段階では発表できないものの「ちょっとしたSFです」と話す磯山さんから、新天地で納得できるスタートが切れていることが伝わってきます。
「登場人物が極端な状況に置かれたほうが伝えたいことが伝わりやすいって思っています。『不適切にもほどがある!』とは別のベクトルのSF設定ですけどね。現代人の悩みとか生きづらさに寄り添ったものにしたいです」
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