TBS退職→Netflixと5年契約「50代P」選んだ道 「不適切にもほどがある」「俺の家の話」手掛けた

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これまで手掛けたドラマ作品の1つが今回の話のきっかけにもなっています。Netflixシリーズ「離婚しようよ」です。TBSとNetflixの共同企画として制作、2023年に全世界配信されたもの。当時、磯山さんはTBSサイドのプロデューサーとして参加していました。宮藤官九郎と大石静という2人の巨匠脚本家が共同執筆し、「選挙が終わったら、離婚しよう」と口裏を合わせる松坂桃李と仲里依紗が離婚の危機を迎えた夫婦役を演じる物語です。

離婚しようよ
松坂桃李と仲里依紗が夫婦役を演じたNetflixシリーズ「離婚しようよ」はTBSとNetflixの共同企画として制作された。磯山さんにとってNetflix契約のきっかけにもなった作品だ(画像:Netflix)

「離婚しようよ」を作ろうと思ったそもそもの背景として、コロナ禍のステイホーム生活が影響したそうです。「Netflixの作品に夢中になってしまって。配信ドラマの勢いを感じ、配信ドラマを作ってみたいと思いました。社内でNetflixとの共同プロジェクト企画を募集していることを知り、企画を出した次第です。これが上手くいったら、私はきっと配信ドラマの道が開けるんじゃないかと、内心そんなことを思っていました」

結果はNetflix 週間グローバル(非英語)TOP10ランキングで10位(2023年6月26日~7月2日の期間)。これが評価され、思惑通りNetflixから打診を受けることに。

1年に1本、あと数本しか作れない

「これまですごく作りたいものを作ってきました。でもそのとき、55歳。このままTBSに居続けて頑張っても1年に1本、あと数本しか作れない。石井ふく子さんのように90歳まで番組を作り続けることができるとは思えないので、だったら違う形態を試してみたい。TBSを円満に退職して、フリーになって、TBSで培ってきたスタッフを起用してまたドラマを作れるなら、それがいいかなって思いました」

そんな思いで、Netflixと5年間にわたり新作シリーズ・映画を複数製作する契約を結んだというわけです。7月11日の発表時にはNetflixの日本オリジナルコンテンツ制作を統括するコンテンツ部門バイス・プレジデント坂本和隆さんが磯山さんとパートナーシップを組むことに期待しているコメントも発表されています。

制作する立場から地上波とNetflixのドラマを比較すると、Netflixの場合は世界190以上の国と地域で同時に視聴してもらえるチャンスがベースとしてあり、予算も大きく、労働環境の整備が進んでいることも実感したそうです。これもまた新たな道を選んだ理由と言えるもの。

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