サイゼリヤ、優待の「突如廃止」を私が支持する理由 株主から悲鳴続出も、そもそも日本特有の制度だ

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なお、同社は同時に「配当予想の修正(増配)に関するお知らせ」も発表している。「直近の業績動向や財政状態、将来の事業展開等を総合的に勘案した結果、1株当たりの配当金を7円増配し、25円に修正することといたしました」として、前回発表予想の18円から今回修正として25円と増配を発表した。

しかし、この増配幅では、持ち株数によっては利益率としては食事券が有利だと判断したため、SNSでは批判コメントが多く見られた。

実際に、株価が下落したとする報道もあった。ただし、原稿の執筆時点(2024年7月11日)ではふたたび回復しており、中長期的に確認しなければならないだろう。一部、株主優待の廃止にたいして激怒している株主もいるようだが、激怒する必要はない、というのが私の考えだ。

サイゼリヤの業績

ところで論を進める前提として、同社の業績を見てみよう。

2024年8月期第3四半期で、売上高1633億円、営業利益101億円だ。実に営業利益は前年同四半期にたいして182%も伸びている。しかも通期でも売上高、営業利益ともに増収増益を狙う。

ただセグメントで見ると、日本はギリギリといった感じだ。

・日本:売上高1062億円、営業利益13億円
・豪州:売上高76億円、営業利益4億円
・アジア:売上高581億円、営業利益82億円

つまり、日本は薄利で、他の地域に稼いでもらっている状況だ。

(表:株式会社サイゼリヤ 第3四半期決算説明資料より)

日本では安売りと徹底したコスト管理が注目の的になっている。そして、純粋に私も同社の品質はすごいと思う。なぜあの価格であのクオリティかわからないほどだ。しかし、現実的に儲かっているかというと、日本市場ではそれほどではない。

ファミレス国内店舗数・推移のグラフ
2024年現在、国内店舗数の増加を目論んでいるサイゼリヤだが、2023年まではやや微減といったところだった(編集部作成)

日本の利益状況が単純に株主優待廃止を導いた、という単純な図式では考えていない。それに実際には同社の大株主はサイゼリヤ代表取締役会長である正垣泰彦さんだ。株主優待廃止から増配への動きは株主を利することになる。

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