指導者に「大きくて強そうな人」を選ぶ残念な本能 通用しなくなったのに残る石器時代の思考法

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私たちの脳は、甘いシリアルではなく、少し甘い果物向けにできている。同様に私たちは、脂肪分を含むものは手に入るときには何でもただちに摂取するように進化した。かつて、人間の食べ物に含まれる脂肪分はとても乏しかったからだ。

私たちは今日、加工された糖分や脂肪分を、かつては不可能だった割合で血流に直接送り込む。それに伴う現代の糖尿病と肥満の急増は、「進化のミスマッチ」の例であり、私たちの体と脳が進化したときの生活様式が、もう存在しなくなった結果だ。

進化心理学者たちも、ミスマッチの例を挙げている。今日、地球上の圧倒的多数の人は、ヘビやクモに事実上まったく脅かされていないのにもかかわらず、それらに対して依然として本能的な恐怖を抱く。だがヘビやクモは、かつて狩猟採集民にとって主要な死亡原因だった。

こうしたミスマッチが起こるのは、人間社会が唐突に変化するからだ。過去には、糖分や脂肪分に対する脳の渇望に従った人々のほうが生き残りやすかった。

今日、石器時代の本能に従う人は、肥満になったり糖尿病を発症したりする可能性が増し、死ぬ可能性さえ高まる。また、私たちは今やクモよりも自動車を恐れるべきだ。ところが、私たちの暮らし方における突然の根本的な変化のすべてに、脳が追いついて適応する時間がまったく足りなかった。

指導者の選択におけるミスマッチ

だから、もし石器時代の心が食生活や恐れにまつわるミスマッチを生み出したとすれば、指導者の選択についてもそれに相当するミスマッチを生み出してきたのではないかと考えるのは、理に適っているように思える。

私たちは、石器時代の祖先が最も望ましいと思ったような指導者の特性を好むように、頭がプログラムされているのだろうか?

たとえば、剣歯虎(けんしこ)を撃退したり、ガゼルを狩ったりするのが得意になるような特性が、用紙を供給する企業の中間管理職の仕事をうまくこなせるようにする特性と同じかどうかを問うのは、もっともなことに思える。

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