サンリオ「35才創業家社長」が成し遂げた大復活劇 就任4年で株価は6倍、"V字回復"を導いた舞台裏
――名誉会長の理解を得られたのは何が大きかったのでしょうか。
最初にお店を作ったときの思いなどを知るために、昔の会社案内などをあさって読んでみた。すると、僕が考えていたことが1980年くらいにすでに書いてあった。お店はものを売る場所ではない、コミュニケーションをとって笑顔になってもらう場所だと。
ただ物販事業に数百人の従業員がいる中で、習慣などもあり、ビジネスのあり方が変わらず来てしまった。今われわれは「エンターテインメント企業になりたい」と言っているが、昔からそういう考えは会長の中にもあって。それを僕が時代に合わせて変えていっているということだと思う。
――今後はどのような戦略が重要になりますか。
基本的にはグローバルでどう成長させるか、が重要だ。グローバルでキャラクターブランディングを管理する部署を立ち上げた。「ここは一気に全世界で展開したい」というときには、全世界で展開できるライセンシーとも組んでいく。インドなど、まだサンリオのキャラクターのシェアが高くない地域もあり、成長余地は大きい。
10年前に北米でハローキティが流行したときは、そのあと(流行が過ぎると)棚が一気にとられてしまうということがあった。今回はボラティリティを下げるためにも、海外で強いシナモロール、クロミなど、他のキャラクターのコンテンツをグローバルでしっかり作り、いつでもキャラクターが店頭にある状態を目指していく。
海外展開へプロ人材の採用進める
――課題はありますか。
グローバルでブランドをコントロールするプロデューサー人材や、現地と密にコミュニケーションがとれる人材が必要になるのは間違いない。
人材を採るのは大変ではあるが、これだけメジャーなIPがあり、これから進出する地域があり、ゲームやアニメにも取り組む。自分のコントロールでブランディングができ、新しいIPも生み出せる。どうみても今が一番楽しいと思う。
現に、ゲームなどに参入すると話すと、実績のある方々が声を上げてくださることが多い。おごり高ぶるわけではないが、そこはアピールしてしっかり採用したい。
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