メキシコ政府「リチウム国有化」に中国企業が異議 贛鋒鋰業、損害賠償求め国際機関に仲裁申立て

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ソノラ・リチウム粘土鉱床は、炭酸リチウム換算の推定埋蔵量が約882万トンに上る世界最大級のリチウム鉱山だが、商用採掘の段階にはまだ至っていない。

贛鋒鋰業はバカノラリチウムの買収に累計2億5800万ポンド(約522億円)を費やし、第1期プロジェクトの稼働後に年間2万トンの炭酸リチウムを生産する計画だった。メキシコ政府は2021年12月、この買収(による採掘権益の移転)を認可していた。

贛鋒鋰業は海外のリチウム鉱山権益に積極投資を続けてきたが、メキシコでは躓いた。写真は同社が権益を持つオーストラリアのリチウム鉱山(同社ウェブサイトより)

ところが、当時のリチウム相場の急騰を受け、メキシコ政府は2022年4月に鉱業法を改正。メキシコ国内のリチウム資源の採掘権益を国有企業にのみ与える方針に転換した。

メキシコで行政訴訟も提起

贛鋒鋰業のソノラ・リチウム粘土鉱床の採掘権益は、鉱業法の改正前に認められたものだ。そのため、メキシコ憲法が認める法の不遡及の原則により、既存の権益は影響を受けないと同社は主張した。

本記事は「財新」の提供記事です。この連載の一覧はこちら

にもかかわらず、メキシコ鉱山総局は2023年8月、贛鋒鋰業の採掘権益の取り消しを通告。同社はそれに猛反発し、メキシコ経済省に行政不服審査を申し立てたが却下された。

そこで2024年1月、贛鋒鋰業はメキシコ連邦行政裁判所に行政訴訟を提起。申請はすでに受理され、審判を待っている状況だ。今回の仲裁申し立てはこれに続くもので、ICSIDの判断が注目される。

(財新記者:盧羽桐)
※原文の配信は6月26日

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