企業の経営者に限らず、リーダーと呼ばれる人にとって、最も求められる資質のひとつに、自分にとって耳が痛いことにもしっかりと耳を傾けるというものがあります。
当然のことながら、こういった資質が政治家にも必要なのは言うまでもないのですが、その政治家が自分にとって都合の良い情報しか取り入れないのでは、国民生活の向上のために広い視野を持って政策など立案できるはずがありません。与野党を問わず議員の方々には、できる限り広く意見を汲んで、国政に役立たせてほしいと願うばかりです。
さて、基本的に「御用メディア」と言われるところは、アベノミクスについて功罪の両面から記事を掲載することなく、日本経済について政権寄りのバイアスをかけて報道してきたという経緯があります。
熱烈な政権支持者である場合を除いては、公平性・中立性を欠いた情報を望んでいる読者はほとんどいないでしょう。正直申し上げて、このような報道のあり方は、読者を非常にバカにしていると言えるのです。そういう「御用メディア」は、読者の側に立った報道をしていないのですから、遅かれ早かれ、多くの購読者の離反を招くことになるのではないでしょうか。
どの世論調査でも「景気回復を実感していない」が多数
しかし、そのようなメディアであっても、中立的なメディアであっても、あるいは政権批判が十八番の新聞であっても、世論調査において、景気回復を「実感しているか」「実感していないか」というシンプルな質問では、結果をごまかしようがないようです。
各社の直近の世論調査の結果は以下のとおりですが、ほぼ同じ結果が出ているのは非常に興味深いことであると思われます。
日本経済新聞(調査時期6月)
実感している 18%
実感していない 75%
読売新聞(調査時期4月)
実感している 19%
実感していない 76%
朝日新聞(調査時期4月)
実感している 19%
実感していない 75%
産経新聞(調査時期1月)
実感している 16%
実感していない 78%
私もいろいろなメディアを通して「アベノミクスの恩恵を受けているのは、全体の約2割の人々に過ぎない」と訴えてきましたが、これらの世論調査でも概ねそれに近い結果が出ているようです。
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