冬の節電商戦に前のめり、異例の大量供給に期待と不安
秋とはいえ、まだ30度を超える日もある中、小売りやメーカー各社は早くも、冬の節電商戦に向けて汗を流している。
すでに昨年8倍超も
目下、飛ぶように売れているのが、石油ストーブだ。大手スーパーのイオンでは例年より約3週間早い8月上旬から東北、関東で販売。売上高はすでに昨年の年間売上高の8倍。東北に限れば、12倍に上っているという。
メーカーも対応に追われている。シェア5割超を握る最大手のコロナは、昨年比4割増の生産計画を掲げ、例年より前倒しでの出荷を開始している。「煮炊きもでき、明かりにもなるので、防災用品として見直されている」(コロナ)。日本ガス石油機器工業会は、6月時点で2011年度の出荷台数を昨年比13%増の148万台と予測したが、それを上回る可能性が高い。
薄くて温かい機能性肌着の動きも早い。衣料品大手のユニクロやスーパー大手のイトーヨーカ堂などは7月から販売を開始。ユニクロの「ヒートテック」は、前シーズンより約2割多い1億枚を販売目標に据える。ヨーカ堂の「ボディヒーター」も、昨年の2倍以上となる1000万枚を目標としており、足元の販売は好調だという。
百貨店やファッションビルを中心に販売するアパレル各社も、節電に伴うウォームビズ需要に大きな期待を寄せている。オンワード樫山は、高機能のシャツやパンツ、コートを開発し、9月中旬から紳士服7ブランドで展開する。三陽商会でも、吸湿発熱綿を活用したコートを16ブランドで展開、投入量は昨シーズンの3割増だ。