「線状降水帯」ってそもそも何?なぜキケン? 予測精度の向上も、これからの季節は要警戒
線状降水帯の予測情報は適中率を維持したまま、見逃し率を減らすことが極めて重要です。
線状降水帯の適中率は、4分の1です。4回予測情報が出たら、そのうち1回は線状降水帯が発生することになります。線状降水帯の発生にかかわらず、予測情報が出た際、3回に2回は大雨になっています。
一方、見逃し率は3回に2回だったのが、「府県単位」で予測が発表されるようになったことで、2回に1回に減ると見込まれています。
線状降水帯の予測は難しい
5月27日から28日にかけて、鹿児島県、宮崎県、徳島県、高知県、岐阜県、愛知県、静岡県に線状降水帯の予測情報が発表されました。
5月としては記録的な大雨になったところがあったものの、いずれも線状降水帯は発生しませんでした。湿った空気や風の予想は合っていたものの、雨雲がそこまで発達しなかったためです。
一方、6月28日は、線状降水帯が予測されていなかった静岡県で発生しました。
線状降水帯による大雨は、現在の観測・予想技術では予測が非常に難しいとされています。その主な理由は、次の3つです。
1つ目は、線状降水帯の発生メカニズムに未解明な点があることです。
線状降水帯は、湿った空気が局地的な前線や地形によって上昇して雨雲になり、その雨雲が発達してできた積乱雲群が、上空の風の影響で線状に並ぶことによって形成されると考えられています。
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