「三権分立はフィクション」と泉房穂が断じる根拠 そもそも議会は「富裕層」のためのものだった

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あるいは、大きな方針を決定するには住民投票・国民投票を行う。そうやって直接的に市民が決めていくことで、個別の既得権益に左右されない合理的な一般意志が確立されるのだというルソーの考えに、私は大きく影響を受けています。

議会の果たすべき役割は時代とともに変化していく

何が言いたいかというと、議会制民主主義と直接民主主義、どちらが正しいのか、ということではなく、両方にそれぞれのよさと限界があるのだということ。

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かつ、議会の果たすべき役割は時代とともに変化しているということです。

たとえば、日本の場合、人口も増えて税収も増えていたいわゆる右肩上がりの時代、分配型の時代には、議会も一定の機能を果たせていたと思います。

黙っていてもパイが増える時代でしたから、選択と集中という政治決断は必要ない。議員たちが、地域代表や業界代表などの役割を担うことで、それぞれの分野において見落とされがちなテーマを俎上に上げていき、パイの分配を行っていきました。

社会全体であまり知られていない問題を広く知らしめる、きっかけづくりという意義もあったと思います。「こんな分野にも行政のサポートが必要ですよ」という気づきを共有してくれるというところに、各種の族議員の役割があったということです。

泉 房穂 前明石市長

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いずみ ふさほ / Fusaho Izumi

1963年、兵庫県明石市生まれ。兵庫県立明石西高校、東京大学教育学
部卒業。NHK、テレビ朝日でディレクターを務めたあと、石井紘基氏(2002年、衆議院議員在任中に刺殺される)の秘書を経て、1997年に
弁護士資格を取得。2003年に民主党から出馬し衆議院議員に。2011年5月から2023年4月まで明石市長を務めた。18歳まで医療費無料など「5つの無料化」や養育費立替に代表される子ども施策のほか、障害者支援、高齢
者福祉などにも注力し、市の人口、出生率、税収などを伸ばして「明石モデル」として注目される。社会福祉士の資格も取得している。

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