トランプ前大統領は2021年1月の連邦議会襲撃など4事件で起訴された。だが裁判は長期化し、前大統領への固い支持も揺るぎそうにない。そこで、死文化したような憲法修正条項の一節を当てはめ、大統領選挙出馬禁止を図ろうという動きがにわかに活気づいている。
きっかけは、前大統領と強い絆を持つ保守派法曹団体「フェデラリスト協会」の2人の法律家による憲法修正第14条3項の新解釈だ。8月に論文が公表された。2人は新解釈を用いて前大統領の出馬を禁ずるよう強く主張。同協会の創設メンバーもこれを支持したことから波紋が広がった。
トランプ政権時代には同協会との連携により連邦最高裁判所に3人の保守派判事が就任し、9人の判事のうち6人を保守派が占めるようになった。それだけに、同協会の2人の主張は意外だ。ただ、協会の保守派法律家には新解釈の適用に反対する声もある。他方、新解釈に勢いづく反トランプのリベラル派の間でも適用反対の声が聞かれ、複雑な構図となっている。
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