鉄道現場で初稼働、JR西「人型ロボ」量産化なるか JR各社への横展開、他産業への拡販もにらむ
JR西日本、日本信号、ロボットベンチャー企業の人機一体の3社が共同開発する多機能型鉄道作業用重機が、実際の鉄道設備メンテナンスの現場で本格稼働を始めた。主として墜落、感電などの危険を伴う高所での作業に用いられ、人手に頼る作業を機械に置き換えることで、労働災害ゼロを目指すほか、顕在化する労働不足にも対応する。
高所の塗装や伐採に投入
国内の産業を見渡せば、高所作業にロボットを活用しようという試みはJR西日本が初めてではない。たとえば、北陸電力は大学などと共同開発した配電工事用ロボット「アシストアーム」を導入し、高所作業ではロボットが作業員の乗ったカゴに設置され、作業員の補助作業を行う。しかし、その形状は人型ではない。JR西日本は、工事現場などでの肉体労働で人間の作業を代替するなら人型がよいのではないかと考えた。そんなとき目に留まったのが人型のロボットを開発する人機一体だった。
これまでは人機一体が製造した人型の試作機「零式人機」が展示会などでデモンストレーションを行っていたが、あくまで試作機であり連日のように屋外で活用することは想定していない。そこで、日本信号が製品化を前提としたバージョンを完成させた。7月から京阪神エリアにおける鉄道の現場で架線支持物の塗装や支障をきたす樹木の伐採といった作業を行っている。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら