EVの普及拡大につながるか−−日産が100万円切る新型急速充電器を投入

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EVの普及拡大につながるか−−日産が100万円切る新型急速充電器を投入

日産自動車は12日、日産の販売店や公共施設、商業施設などに置き、電気自動車(EV)の充電に用いる急速充電器の新型機(=写真左=)を開発し、11月をメドに発売すると発表した。従来に比べ大幅に価格を下げたのが目玉で、標準仕様は100万円を大きく下回る予定。低価格化を武器にEV用充電インフラの設置拡大を推進。すでに販売する「リーフ」をはじめ、今後の自社EVの普及に弾みをつける。

日産が開発した新型のEV用急速充電器は、電圧変換の回路を簡略化し部品点数を削減。詳細な価格までは明らかにしていないが、廉価版は現行(147万円)の半額以下、標準仕様は100万円を大きく下回る予定だ。200万円程度の競合メーカー品や日産の従来器に比べて大幅な低価格化とともに小型化も実現した。奥行き、高さは従来とほとんど変わらないが、横幅を38cmと従来(75cm)の半分程度に縮めた。大きさの面での制約で、これまで設置できなかった場所にも置けるようになる。

日産は新型のEV用急速充電器について、2015年度末までに5000基の設置を目指す方針だ。9月1日時点で、国内に設置されているEV用急速充電器は619基(うち販売店など日産グループは196基)。エンジン車やハイブリッド車が全国に4万カ所以上あるとされる給油所で燃料を補給できるのに対し、EVは充電インフラがまだまだ整っていないのが現状だ。

日産は昨年投入した「リーフ」を皮切りにEVを次世代エコカーの本命に据えているが、EVを普及拡大するためには充電インフラの整備が不可欠。全国に約2200店舗を構える日産販売店のほか、空港や高速道路、家電量販店などが導入しやすいように、新型機の開発で価格を大幅に下げた。経済産業省が「次世代自動車戦略2010」で提示している目標値である「2020年までに5000基」を、日産は自社の主導により5年も前倒しで達成しようとする取り組みでもある。

現在、急速充電器市場は15社以上のメーカーが乱立しているが、その中で唯一の自動車メーカーである日産は、競合とはやや立ち位置が違うといえる。今回の新型急速充電器は、将来的に欧州や米国での販売も予定している。

(伊藤 崇浩 =東洋経済オンライン)

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