内向的な性格の子どもは将来営業職に就けるのか コミュニケーションを必要とする仕事は除外?

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ちなみに、外向的なスタッフには内向的な人、内向的なスタッフには外向的な人がリーダーを果たすと、よりよいパフォーマンスを引きだせるという研究結果があります。

つまり、タイプの異なる人が協力し合うことでよりよい成果をだせるのです。Mさんが静かなリーダーシップでチームをまとめていったこと、それから新入りにベテラン社員たちが協力してくれたのも、タイプの異なる組み合わせの成功例かもしれません。

心理的安全性をもたらす人になれる

また一緒に働きたい上司の2人目は中学校の校長先生(女性)です。T先生は、小柄で穏やかな笑顔が印象的で、校長先生だけれど怖いところがありません。

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もちろん、校長として、強い姿勢をとるときもありますが、静かに筋道を立てて話し、しかし決して迎合しません。普段から、生徒や保護者、先生の何気ない様子をよく見ていて、気になることがあると相談に乗ってくれます。

何か悩んでいるときでも、T先生から声をかけてくれるので相談しやすく、進捗報告もしやすくなります。T先生が着任してから職員室内のコミュニケーションが密になり、何か問題が起きても協力して対応したり、未然防止ができるようになったのです。

T先生は、組織に心理的安全性をもたらしてくれたリーダーでした。心理的安全性とは、「率直な意見を言ったり質問したりしても、あるいは助けを求めたりミスを認めたりしても、公式非公式を問わず馬鹿にされたり制裁を受けたりしないと信じられること」(ハーバード大学教授エイミー・エドモンドソン)です。

心理的安全性のある組織では、誰もが保身する必要がなく、よい結果を生むために協力できるので、組織にとっても働く人にとっても、よい成果を生みだすことができます。

このように、今は、さまざまなリーダーシップスタイルがありますから、内向型やHSP型にリーダーは荷が重いと決めつけないで、持ち味を生かしたリーダーシップを身につけていってほしいと願っています。

吉田 美智子 臨床心理士・公認心理師

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よしだ みちこ / Michiko Yoshida

はこにわサロン東京・代表。

外資系企業勤務後、心理臨床の道を志す。臨床心理士の資格取得後は、東京都・神奈川県・埼玉県スクールカウンセラー、教育センター相談員などを経て、2016年はこにわサロン東京を開室。主な技法は、ユング心理学に基づいたカウンセリング、箱庭療法、絵画療法、夢分析。子育ての相談、親子関係、トラウマケア、ストレスケア、アンガーマネジメントなどの相談に携わる。

日本経済新聞・読売新聞・日経クロスウーマンなどに寄稿し、メディアでも活躍中。

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