--最もコミュニケーション能力が低い“業界”は政府ですよね。織畠さんのようなコミュニケーション能力の高い経営者が政界進出してくださるといいのですが。今の日本は“無政府状態”とも揶揄されています。
経営者出身の政治家ってまだほとんどいないですよね。最近ではリクルートの同期だった樫野孝人さんも神戸市長選で負けましたし、都知事選では渡邉美樹さんも、そしてかなり前ですがマッキンゼー出身の大前研一さんも落ちてしまいました。無政府状態の影響は、昔から身にしみています。
それでも昨年までは、いくら政治が機能していなくても日本企業はまだ筋肉質でしたし、日本市場は「シェア拡大も投資の可能性もまだまだ大きくある」と本社にPRしていましたし、今回の大震災でも「日本人の勤勉さを見ろ」とPRしました。しかし、今のような無政府のような状態が続くとだんだんそのメッセージも色褪せてくるので、政府には頑張っていただきたい(笑)。
--優秀なリーダーとは?
リーダーには色々な定義やスタイルがあっていいと思っています。
例えばGEではリーダーには“4E”が大切だと言われています。1つは「Energy」で、常に高いエネルギーを持っていること。内に秘めたエネルギーでもいいし、見るからにエネルギッシュでもいい。成長する人間は共通して知的好奇心が旺盛で常に向上心があり、エネルギーがあると思います。2つめは「Energize」。相手のエネルギーも高めることができるということです。3つめは「Edge」で、いわゆるタフな決断や判断ができることを意味します。
そして最後に追加された4つめのEは「Execute」で、プランを実際に行動に移す実行力があるか、結果を出すことができるかということも重視されています。これらができるのはやっぱり優秀なリーダーだと思いますね。
(撮影:梅谷 秀司)
1963年3月23日、横浜生まれ。日本で小学校を卒業後、中学1年から2年間をイランの首都テヘランのアメリカンスクールで過ごした後、米国ジョージア州の公立高校を首席で卒業。マサチューセッツ工科大学(MIT)で電気工学学士号・修士号取得後、86年7月リクルート入社。リクルートでは情報ネットワークサービス事業部門にて新規サービス開発を担当し、FNX(ファクシミリ同報サービス)事業を立ち上げる。91年MITスローンスクールでMBA取得後、マッキンゼー・アンド・カンパニーに入社。ロサンゼルス・オフィス勤務に次いで、東京オフィスにて、主にエレクトロニクス、テレコム、ヘルスケア企業の戦略プロジェクトに携わる。99年、ゼネラル・エレクトリック社(GE)に入社し、GEメディカル・システムズ−アジアの事業開発本部長、CT事業本部長、サービス事業統括副社長、日本GEプラスチックス社長等を歴任。2005年コヴィディエン社(旧タイコヘルスケア)にタイコヘルスケアグループジャパン代表取締役社長として入社し、06年10月より日本、アジアパシフィック、東欧・中近東を統括するInternational President 兼 日本代表。11年1月より現職
■CEOへの道は、エグゼクティブ向けの人材会社・経営者JP主催のセミナー「トークライブ・経営者の条件」との連動企画です。
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