個別のプロフェッショナルとしてのプライドに訴えかけると同時に、チームを代弁して本社としっかりコミュニケーションし、常に進捗を社内にフィードバックすることもトップの役割だと思います。
--これからのトップにはどのような資質が求められると思いますか。
組織が大きくなり多様化するほど360度型のコミュニケーション能力が求められるのではないでしょうか。
例えば今の私の立場だと、下の1人1人に対するコミュニケーションはもちろん、本社トップに対して日本は今後も成長する重要な市場であり、サプライチェーンやパートナーの観点からも今後も最重要国のひとつであり続けるとPRしなければいけない。ビジネスユニットのCEOには日本へサポートや投資をしてもらえるよう働き掛けるといった横のコミュニケーションも重要です。もちろん、社外のお客様やビジネスパートナーの方々とのコミュニケーションも重要です。
聞く力を含め、色んな形でコミュニケーションする力が必要になってきます。日本企業でも今後は国外の市場が重要になってくるので、地域、国、組織に応じた柔軟性のあるコミュニケーション力が求められます。
--織畠さんはコミュニケーション力をどこで鍛えられたのですか。360度型のコミュニケーションをする上で英語は必須ですよね。
MBAやマッキンゼーなどでもコミュニケーションのクラスはありましたが、私は常にコミュニケーションをとらなければ成り立っていかないような環境にいました。
例えば、リクルートでもマッキンゼーでも、個人のパフォーマンスを高める能力に加え、仲良しクラブとは異なるチームワークを求められましたし、GEでもコヴィディエンでも360度のコミュニケーションをとらないと数字も残せませんでしたから。
英語に関しては、確かに私はほぼネイティブですが、大切なのは語学や発音だけではありません。あくまで語学はツールであって、コミュニケーションには中身がなくてはいけません。聞く姿勢や伝えようとする力と中身の方がより重要です。