注目すべきなのは、中国の産業構造の変遷とともに、ブルーカラーに求められるスキルにも変化が見られることだ。
例えば、中国の製造業では(ロボットの大量導入など)工場のスマート化が急速に進んでいる。その結果、工場労働者の求人ではデジタル制御の工作機械などを操作できる専門技能職のニーズが5年前の5倍以上に増加。その募集賃金の平均値は、2024年1~3月期は月額8281元(約17万8000円)と5年前の1.49倍に上昇した。
また、健康や美容に対する人々の関心の高まりを受けて、ヘルスケア関連のビジネスが拡大。それに伴うサービス要員の求人が急増しており、2024年1~3月期の募集賃金の平均値は1万637元(約22万8700円)と5年前の1.54倍に上がった。
半数近くが前途を楽観
このような変化を背景に、若者の意識も変わりつつある。ブルーカラーの職種を進んで選択する若者が増えているのだ。
智連招聘のレポートによれば、2024年1~3月期に就職した25歳以下の求職者の総数は、5年前より62.4%増加した。これをブルーカラー職種に限って見ると、25歳以下の就職者が2.65倍に増えたという。
同じく智連招聘のレポートによれば、ブルーカラー職種の労働者の半数近くが、現在の仕事の前途を楽観視している。労働条件の改善に関するアンケート調査では、8割以上の回答者が「(職場の)福利厚生の向上を望む」と答えた。
その他にも、5割以上の回答者が「労働者としての権利の保障」や「労働環境の改善」を望み、3割以上が「より安定した雇用形態」や「社会的地位の向上」を希望。雇用側の前向きな対応に期待を示した。
(財新記者:方萌、範俏佳)
※原文の配信は6月7日
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