資生堂が3年前に手放した「ツバキ」の意外な現在地 新ブランドで勝負、ツバキは海外なら2000円!
対して、ツバキを含むマスをターゲットにした低価格帯の市場は縮小傾向にある。資生堂時代に「日本の女性は美しい」というコピーのテレビCMで注目を集めたツバキだが、現在、かつてのような存在感はない。
そこで、ツバキでは手薄だった高価格帯に攻め込むべく、ファイントゥデイは今年2月、独立後初の新ヘアケアブランド「+tmr(プラストゥモロー)」を本格的に立ち上げた。
髪の80%を占めるタンパク質成分のケアに注目したブランドで、香りやデザインにもこだわり、パッケージはリサイクルPETを使用するなど環境への配慮も打ち出している。
発売に当たり、下準備には特に力を入れてきた。以前のように最初からマスをターゲットにしたテレビCMを打つのではなく、新興メーカーに近い手法で若年層への認知拡大を狙ってきた。
2本柱で新興メーカーと勝負
今年2月にドラッグストア等で全国展開するまでの3カ月間、SNS上のキャンペーンを実施、インフルエンサーを集めた発表会や原宿での体験型ポップアップイベントを行うなど、入念に周知徹底を進めてきた。
流通面でも、ユーザーの口コミを強みとするコスメサイト「アットコスメ」で先行発売し、品質のよさや商品の特徴を丁寧に伝えたことで「発売直後から軌道に乗せることができた」(小森哲郎社長)という。
今後は高価格帯がプラストゥモロー、低価格帯はツバキという2本柱の体制でシェア獲得に挑む。
最近のシャンプー市場は目新しい商品が続々と投入され、消費者に特定の商品を購入し続けてもらうことは難しい状況だ。新興勢に遅れを取らず、着実にリピート客を獲得していくことが焦点となる。
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