アップルとグーグルはこの秋、iOSとアンドロイドの無料ソフトウェア・アップデートをリリースする予定だ。本稿では、私たちのスマートフォンがどのように変化するかについて知っておくべきことを紹介する。
生まれ変わる「Siri」
SiriがAIの「脳移植」を受ける
アップルは、13年の歴史を持つ同社のバーチャルアシスタントSiriを完全に作り直したと発表した。
このアシスタントはまもなく、「アップル・インテリジェンス」を搭載することになる。この種のAI技術は、統計と複雑なアルゴリズムを用いて、どの単語がどのような関係にあるのかを推測するもので、スマホのオートコンプリート機能に似ている。
これは、OpenAIのChatGPTやグーグルのGeminiのようなチャットボットを動かしているのと同じ種類の基礎技術だ。アップルは、ユーザーのデータがそれぞれのiPhoneに残るので、同社のシステムはほかに比べてよりプライベートなものであるとしている。
今回のアップグレードにより、Siriは会話の文脈を処理できるようになり、ユーザーはより自然にバーチャルアシスタントと会話できるようになる。例えば、「サンタクルーズの天気は?ちょっと待って、サンフランシスコだった」と言った後に、「明日の午前9時にサンフランシスコでコーヒーミーティングを予約してくれる?」と言うことができる。
アップルによれば、新しくなったSiriは、より複雑なタスクもこなせるようになり、例えば、フォトアルバムから運転免許証の画像を検索し、そのID番号を取り出してフォームに貼り付けることができるようになるという。
対照的に、旧バージョンのSiriは、「サンフランシスコの天気は?」や 「サンフランシスコでコーヒーミーティングを予約する 」といったあらかじめ理解できるようにプログラムされ、データベース化されていたコマンドや質問にのみ反応することができた。
アップルによると、「アップル・インテリジェンス」は、iPhoneユーザーがメッセージ内に画像を自動的に生成することも可能にする。例えば、あなたが友人の誕生日を祝う場合、AIはあなたのフォトアルバムを見てその友人の画像を探し、風船を持ったその人物のアバターを生成することができる。