参列者の前で離婚届けに判を押したり、“最後の共同作業”として結婚指輪をハンマーで叩き壊すという演出まである。
元夫婦からは「旦那としては15点だけど、友だちとしては100点!」「生まれ変わってもこの人と離婚したい」という“名言”も。「お別れというより、お友だちに戻ってリセットするという感覚の方が多いようですね」と寺井さん。
オープンに離婚すれば、再婚しやすい?
離婚式まではできなくても、離婚を前に“離婚デート”や“離婚旅行”で思い出の地を巡る夫婦もいる。「次のチャンスがあるうちに」とお互いの人生のために前向きな決断を下すのが“ポジティブ離婚”。
「婚活」の名付け親でもある中央大学文学部の山田昌弘教授は「うまくいかなくても次がある。早めに人生をリセットする。お互い若くて経済力も再婚の自信もあるのであれば、恨みを残さず別々の人生を歩もうとする。オープンに離婚すれば、オープンに再婚しやすいのでは」と分析。
若い世代だけでなく、親世代の意識も変わり、実家や職場の理解が得やすくなったことも“ポジティブ離婚”の一因となっているようだ。
実は、平成(1989年)に入ってから増加傾向にあった日本の離婚件数が、平成14年(2002年)をピークにゆるやかな右肩下がりになっているのをご存じだろうか。
先月、厚生労働省が発表した『平成26年人口動態統計月報年計(概数)』によると、昨年の離婚件数は22万2104組。一昨年と比較して9300組近く減少。婚姻件数も同様に減少しており、昨年は戦後最少となった。
「全体的に震災の影響で離婚観が変わったと実感しています。晩婚化の影響で、離婚率の高い“若い世代の結婚”が減ったのも、離婚減少の一因かもしれません。離婚式では30~40代の方が多いです」と寺井さん。
一方、「日本の離婚は、先進国の欧米並みに安定期に入った」と解説するのは山田教授。「だいたい3組に1組は結婚生活をリセットするというのが現状。恋愛結婚とはそんなものなのでしょう。このまま減少気味になるのでは」と冷静に分析する。
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