世界の富裕層が注目「究極のポルシェ」日本へ 一見すると昔風でも中身は超絶「4億円の911」
そこに置かれていたシンガーによる911は、空力パーツもついていたし、リアにはエンジンの熱気を出すためにネットが張られているなど、カスタマイズされたサーキット用911という雰囲気。でも、決して派手というものではない。
それでも英国の自動車ファンが興奮を隠せない様子を見て、シンガーの存在感が理解できた気がした。
東京・神宮前のトランクホテルを使った会場に置かれたのは、「ターボスタディ」と「DLSターボ」と名付けられた2台。
前者のターボスタディは、コードネームでいうところの964型(1989年〜1993年)をベースに911ターボ(1975年〜1989年)の雰囲気に仕上げたモデルで、2022年に発表された。
「ウルフブルー」なる塗色を施した軽量炭素繊維のオリジナルボディ、インタークーラー付きターボチャージャーを2基備えた3.8リッター空冷水平対向6気筒エンジン、450HPあるいは510HP(HPは英馬力で510HPはおよそ375kW)の出力、6段マニュアル変速機、カーボンセラミックブレーキ、専用仕上げの内装、ヒーティング機能つきシートなどを装備。
9000rpmで700HP、超ハイスペックなDLSターボ
「ダイナミクス&ライトウェイティング・スタディ」の頭文字をとったモデルがDLSターボで、ベースはやはり964型。ディキンスン氏は「サスペンション、ブレーキ、ステアリングシステムはしっかりしていて、空冷エンジンの911の中でもベース車としてもっともポテンシャルが高い」と、964型を選ぶ理由を説明している。
その外観は、1970年代にレースで数々の勝利を獲得した「935」をイメージしつつ、現代風に仕上げられている。
搭載される3.8リッター水平対向6気筒エンジンには4バルブ化されたヘッドが載せられ、電気式ウェイストゲートと水冷インタークーラーを備えた2基のターボチャージャーを装着。700HPの最高出力を、9000rpmを超えるエンジン回転域で絞り出す。
さらに、専用ダンパーをはじめとするサスペンションシステムや、カーボンのブレーキキャリパーとモノブロックのブレーキピストン、ミシュラン「パイロットスポーツカップ2」あるいは同「カップR」タイヤも装備される。
シンガービークルデザインは、F1でおなじみ、ウィリアムズ・アドバンストエンジニアリングの協力のもと、超ハイスペックな車両を仕上げているのだ。
「もしオーナーが望むなら、街乗りしやすい仕様に変更することも可能です」とディキンスン氏が言うように、フロント部分やスポイラーを含めたリア部分など、炭素樹脂製のボディパーツをそっくりつけ替えることも可能である。
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