Apple教育マーケティング担当の「子育て」の視点 たった20年で「仕事が激変」大人は何ができる?

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私自身もAppleで仕事はしていますが、いろいろな学校を訪問させていただくと、今でも生徒さんから学ぶことばかりです。

生徒さんたちから新しい学びを得ることは楽しいですし、生徒さんたちが初めて触るデバイスを自分の力で使いこなして学んでいく様子や、そこから何かを作り上げていく様子を見ると、とても嬉しいです。

自分が学んだことを身につけていくうえで、一番良い方法は誰かに教えることです。

ですから、子どもが大人に対して何か教えることは、自分のスキルを身につけていくうえでも、とても重要な要素です。ですから保護者や教員であっても「わからないから教えて」と人間らしい弱さを見せることも大事です。

今まで以上に「可能性」が至る所にある

具体的なデバイスの使い方ですが、保護者の悩みとしてはやはり動画を見ているだけとかゲームをダラダラやっているだけなど、受身だけの使い方になってしまうのが気になるかもしれません。もっとポジティブに使わせたい、と思っている方が多いのではないでしょうか。

子どもたちがデバイスを使い、何か魅力的な、夢中になれることをするためには環境を整えることも必要でしょう。

今は、知育に役立つアプリもたくさんあるので、それを入れてみるのもいいですし、アプリを使わなくてもiPadを使ってちょっと面白い動画を作ってみたり、ただ単に写真を撮ったりするだけでも十分アクティブな行動になります。

どんな小さなことでも子どもが興味を持ってやればそれが将来的に求められるスキルの発達につながっていくのではないかと思います。

今は非常に不明確な要素が多くて、子育ても難しいことが多いかと思います。一方で、だからこそ、とてもエキサイティングな時期でもあると思うのです。

それは今まで以上に「可能性」が至る所にあるからです。ですから今ある仕事だけでなく、「今はない仕事」を自分で見つけていくこともできるでしょう。

それには、やはり「情熱」が大事です。

冒頭で、今ある仕事は20年前の2004年には存在しなかったものが多い、という話をしました。ただ、今その仕事を楽しんでやっている人たちだって、2004年のころは、当時あるものの何かに情熱を傾ける子ども時代を送っていたはずです。

それは自動車なのか、自然への興味なのか、コンピューターなのかわかりませんが、小さな興味の種はあったはずです。それが今の新しい仕事につながっていったのだと思います。

保護者としては、自分の子どもはもちろん、あらゆる子どもが幸せに育ってもらいたい、成功してもらいたい、という思いは強くあると思います。しかし20年後の2044年はどんな時代になっているのか、どんな仕事が生まれているのか、誰にもわかりません。

そのような世界の中で子どもたちが幸せになり、成功していける道は、今現在では存在しない方法で実現できるかもしれません。そこに楽しみを見つけて、保護者や教員のみなさんが、子どもたちの成長を支えていくことが大事だと思います。

江口 祐子 元AERA with Kids編集長

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えぐち ゆうこ / Yuko Eguchi

編集者。生活実用誌、学習、健康系書籍等を数多く担当後、「AERA with Kids」(朝日新聞出版)の編集に携わる。2018年から編集長を務める。取材した教育者、経営者、起業家等の数は700人以上。2021年に独立し、エディットプラン合同会社を設立。企業のPR活動、出版プロデュースなども行っている。

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