中学、高校になっても学力が伸びる子は、小学生の段階から、わからない問題や間違いに対して疑問をもち、突き詰めて考える傾向にあります。そして、理解に至ったときに、「そうだったのか!」と気づき、さらに“面白い”という思いとの相乗効果が生まれて、前向きに勉強に取り組みたくなるようです。
勉強ができる子の共通点の一つに、間違えた問題の解説を聞いて、「なるほど!」と言葉を発することがあります。この言葉が出てくるということは、そもそも初めに知りたいという好奇心があったということです。
知的好奇心が大切ということを聞いたことがあると思いますが、では知的好奇心はどのようにして培っていけばいいのでしょうか。
勉強の本当の面白さは「なぜ?」の部分
もともと子どもは、爬虫類が好き、宇宙が好き、料理が好きなど、好きな分野があれば、それに関する知識はどんどん吸収していきます。好奇心があれば勝手に行動し、頭脳も動きます。しかし、そうではない対象になると途端に興味を失い、まったく関心を寄せることはありません。
そのような状態でも、知的好奇心を引き出すことができます。そのためにはある問いかけをしていきます。それが「なぜ?」というマジックワードです。
知識のインプットだけでは面白くありません。勉強の本当の面白さは、その背景にある「なぜ?」の部分なのです。テストでは「なぜ?」の部分は問われないので、そのような問いは必要ないと思うかもしれません。しかし、テストに必要かどうかという問題ではなく、好奇心そのものを引き出すことが大切で、それさえ出してしまえば、後は自動的に学びの方向へと向かうのです。
つい、必要なことだけをやらせようと考えがちですが、学ぶための知的好奇心があって初めて勉強という行為に向かいます。
3つ目は「抽象度が高い」ということです。抽象度が高いとは、物事を高い位置から俯瞰して考えることができる状態のことです。
では、この抽象度をもう少しわかりやすく説明していきます。
例えば、山田さんがチワワを飼っていました。石川さんもチワワを飼っていました。山田さんのチワワも石川さんのチワワも具体的ですね。具体的な世界というのは比較や争いが起こります。山田さんはこういいます。「石川さんのチワワは耳大きすぎない? うちのチワワの方が断然可愛いわ〜」と。しかし、山田さんのチワワも石川さんのチワワも、「チワワ」というカテゴリーに入っています。つまり“同じ”ですね。
すると今度は、内田さんのトイプードルが登場します。すると今度はまた比較、争いが起こります。内田さんは「チワワなんてうるさい犬よく飼うわね〜。うちのトイプは全然吠えないし、お人形さんみたいで可愛いわ〜」と。しかし、チワワもトイプードルも一段上に上がって見れば「小型犬」というカテゴリーです。“同じ”部類になります。
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